ブックタイトル肛門疾患

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概要

肛門疾患

する脈管により間接的に描出される(図7-36 d-6,7-37d-6).低位坐骨直腸窩痔瘻の二次瘻管は坐骨直腸窩を皮膚のほうに走行していく像として描出される(図7-36b-2,d-2).高位坐骨直腸窩痔瘻の二次瘻管は肛門挙筋に接して高位坐骨直腸窩に認められる( 図7-37 b-4,d-4).高位と低位の坐骨直腸窩痔瘻の鑑別には前頭断が有用である.すなわち高位の瘻管は頭側に,低位の瘻管は足側に進展するので容易に鑑別できる(図7-36 d-2,7-37 d-4)5). しかしながら痔瘻をMRI で診断するには,解像度のよい画像で肛門管周囲の詳細な断面が必要である.また放射線科の医師でも肛門周囲については不慣れであることが多く,必ずしも正確な読影を期待することはできない.客観的な所見を記録することはできるものの,あくまで補助的図7-35 坐骨直腸窩痔瘻の代表的な原発巣のMRI(T2 強調像)a,c は水平断,b,d は矢状断.1.後方深部痔瘻(ⅢP),2.恥骨直腸筋,3.深外括約筋,4.肛門挙筋,5.浅外括約筋,6.Courtney 腔痔瘻(ⅢCourtney).a,b は後方深部痔瘻(ⅢP).外側を深外括約筋で囲まれて,直腸後壁に高信号で描出される.恥骨直腸筋は後方正中では腱様になっているので後方深部痔瘻は極めて直腸壁に近く存在する.c,d はCourtney 腔痔瘻(Ⅲ Courtney). 深外括約筋の外側で浅外括約筋に囲まれる部位に高信号で描出される.肛門直腸角から離れていることがわかる.bc da634532226513431図7-34 直腸周囲膿瘍のCT 水平断(同一症例)a,b はほぼ同一断面でa は単純,b は造影.直腸後壁に接するように低吸収域の後方深部膿瘍が認められ直腸後壁を圧排している(1).膿瘍壁は造影される(2).気泡も散在している.c,d はほぼ同一断面でc は単純,d は造影.膿瘍腔は多房性に分かれているように見えるが,隔壁は外括約筋や結合組織の膜である.中心が後方深部膿瘍(3),両脇が高位坐骨直腸窩膿瘍(4)である.1 2 134bc da114 第7 章 肛門周囲膿瘍と痔瘻