ブックタイトル写真でみる乳幼児健診の神経学的チェック法 改訂9版

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概要

写真でみる乳幼児健診の神経学的チェック法 改訂9版

Ⅱ 各月齢別のチェックポイント179a.質問項目(意義とチェックの重点) 8 か月は異常の確認というより,正常の個人差やパターンの違いが健診でみられる月齢で,これに対するチェックが大切である.すなわち,下肢をつかない,寝返りをしない乳児である.この場合の鑑別の要点はそれ以外の発達が正常範囲であるかどうかである.たとえばお座りまでの発達がほぼ正常で,下肢をピョンピョンしないのは正常のことが多い.運動発達では,お座りが完成期で座っていて横の物が自由に取れ横のパラシュート反射がみられる.b.診察の項目(チェックポイント)? お座り(図4?77) 座位にして姿勢を観察する.8 か月では背を伸ばして座れ,身体をねじって横や後ろの6 8 か月児のチェックポイント① つかまらせると立っていますか② お座りをして身体をねじって後ろの物を取ろうとしますか③ 仰向けに寝かせておくと嫌がってすぐに寝返りを打ちますか④ 腹這いでくるくる回ったり,後ずさりしたりしますか⑤ 床に落ちている小さい物を指を伸ばして拾おうとしますか⑥ 他の人が食べているのを見て欲しがりますか⑦ 物を何度も落として喜びますか⑧ お母さんの顔を見ると身体を乗り出し,抱いてもらいたがりますか⑨ 落とした物を探しますか⑩ 今までに何か異常があるといわれたことがありますかQ 質 問 8 か月児は自分でつかまって立てないが,物につかまらせるか,支えて立たせると立っていられる.この質問のもう1 つの意味は,ほかの質問と併せて下肢をつかない乳児の発見である.寝返りの質問は正常の知的発達では仰臥位にしておくと嫌がってすぐ寝返ってしまうことのチェックと,ごくまれであるが,寝返りをしない乳児を発見するためのものである.座位で横や後ろの物を身体をねじって取れることは,横のパラシュート反射が出現していることを意味し,これらができれば粗大運動発達は大丈夫とみてよい.親の顔を見ると身体を乗り出してきたり,人の食べている物を欲しがったりするのは,この月齢でよくみられる知的発達を知るのによい動作である.8 か月になると落としたものがどこかに存在しているはずであることがわかり,探そうとする.知的発達を知る大切な項目である.解 説