ブックタイトルベッドサイドの新生児の診かた 改訂3版

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概要

ベッドサイドの新生児の診かた 改訂3版

132第Ⅱ章 新生児の観察と処置 児の取り違え防止のために児に個人識別標識(母親の氏名,性別,出生日)を必ず行う.分娩室から出るまでに標識をすることが重要である.市販の新生児用標識を使用する,マジックインク等で児の足底に記入する等の方法を用いる.多胎児を管理する際は,混同に特に注意を払う. 臍帯は容易に感染経路となりうるので清潔にして乾燥を促す.WHO では,臍帯に触れる前は石けんで手を洗う(図Ⅱ?A?Ⅴ?1)こと,臍帯は開放するか,ガーゼなどで緩く包みおむつの外に出すことを推奨している.臍帯を清潔に保つことは臍炎のリスクを減少させるが,消毒薬の積極的な使用で感染のリスクを減らすかどうかは結論が出ていない.新生児室やNICU で管理される新生児においては,クロルヘキシジン,ヨードチンキ,ポビドンヨード,スルファジアジン銀,triple dye による消毒(1 日1 回,3 日間)を推奨している.乾燥を遅らせるアルコールの使用は推奨していない.世界をみても臍処置の方法は多様であり,最終的には施設の方針による.Ⅴ 処 置1. 母児標識2. 臍処置? 出生後,児が安定した状態で個人標識,点眼を行う.? 臍処置は清潔に行う.? 原則として出生直後の沐浴(産湯)は避ける(B 型肝炎ウイルス,C 型肝炎ウイルス,HIV キャリア母体児を除く).? ビタミンK2製剤2 mg を出生後,生後1 週間(産科退院時),1 ヵ月健診時に投与する.? 病的黄疸の危険がなくなるまで経時的に黄疸のスクリーニングを行う.? 先天代謝異常症等マススクリーニングを産科退院前に行う.? 聴覚スクリーニングを産科入院中に行う.? 感染予防に配慮する.? B 型肝炎母子感染予防にHBIG とHB ワクチンの接種(初回接種は生後12 時間以内)を行う.? RS ウイルス流行期には,対象児に対してRS ウイルス感染症重症化予防目的で産科退院前にパリビズマブ初回投与を考慮する.要点