ブックタイトルベッドサイドの新生児の診かた 改訂3版

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概要

ベッドサイドの新生児の診かた 改訂3版

67 妊娠経過が順調であり正期産となった場合,90%の新生児は元気に出産する.しかし,残りの10%の新生児は出生時に何らかのサポートを必要とし,約5%はマスクバックなどによる積極的な蘇生を必要とする.このような新生児のために,分娩を扱う施設においては,常に的確な対応ができるように準備をしておかなくてはならない.この章では,正常に生まれるべき児への対応について述べる.なお,新生児蘇生法は国際蘇生協議会(ILCOR)によって5 年ごとにコンセンサスとして公表されたものに基づいて,各国が国々の諸事情に合わせたものとして公表されている.この項では,ILCOR コンセンサス2015 に基づいて作成された,日本版新生児蘇生法2015(NCPR2015)に準じて述べる1,2).ただし,新生児蘇生は,講習を受ければできるわけではなく,実際の分娩立ち会いの経験が必要不可欠であることから,NCPR 前後の対応についても述べる. すべての分娩に,新生児蘇生の講習を受け,新生児蘇生の知識・技術をもつスタッフが立ち会うことが望まれる.しかし,実際の現場では人員不足などから,常に新生児蘇生を行えるスタッフが立ち会うことが困難な場合も多い.そんな場合には,分娩状況に応じて立ち会いをすA 正常編Ⅰ 分娩室での観察と処置1. 分娩立ち会いに際してⅡ 新生児の観察と処置? 分娩立ち会いの際には,娩出前に妊婦情報(産科歴,妊娠経過など),胎児情報を収集し,出生時の状況をイメージする習慣をつけ,立ち会いスタッフで共有できるようにする.? 出生した児の状況と,出生前のイメージとの差を振り返り,次のイメージの修正に努める.? 出生後,蘇生が必要な場合には,日本版新生児蘇生法(NCPR2015)に準じて蘇生を行う.? 出生後,安定した新生児の診察では,チェックリストなどを用いて見逃しがないように系統的に行う.? 蘇生の有無にかかわらず,蘇生記録に始まる新生児の診療録を作成する.要点