ブックタイトルベッドサイドの新生児の診かた 改訂3版

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概要

ベッドサイドの新生児の診かた 改訂3版

34第Ⅰ章 出生前の胎児情報 前述の自律神経系の働きを再確認し,圧受容器が関与しているのか,化学受容器が関与しているのか意識しながら,判読していただければと思う.1 早発一過性徐脈の特徴 心拍数の変化は子宮収縮と同期し,比較的緩やかに心拍は下降し,緩やかに回復する.子宮収縮のピークと一過性徐脈の最下点が一致する(図Ⅰ?Ⅱ?5).2 変動一過性徐脈の特徴 2013 年の判読基準の改定で,変動一過性徐脈は,「15 bpm 以上の心拍減少が急速に起こり,その開始から回復まで15 秒以上2 分未満の波形をいう.収縮に伴って出現する場合は一定の形を取らず,下降度,持続時間は変動する.」と定義された1). 圧変化により発生し,子宮内の低酸素状態や胎児アシドーシス(酸血症)を示す所見ではない.しかし,繰り返す場合や圧迫の程度が強い場合,低酸素状態が引き起こされることもあり注意しなければならない.以下の3 つの特徴に留意し,判読を行う(図Ⅰ?Ⅱ?6).1) 急速に下降する 圧変化により,速やかに迷走神経反射が出現するため,心拍数の低下は急速である.また,臍帯圧迫の解除により心拍数の回復も急速になる.2) 一定の形(uniform)にならない 陣痛発作に伴う場合,波形がuniform にならない.きつい臍帯巻絡や卵膜付着など固定された状態を除き,フリーループが体幹や四肢などで圧迫を受ける場合,多くは一過性で,児の回旋や下降により,圧迫の箇所や程度が異なるためである.3) 前後に頻脈を伴うことがある 一過性徐脈の前後,あるいはどちらか一方に頻脈を伴うことがある.両側の場合,徐脈に肩があるようで,その名のとおりshoulderと呼ばれる.4. CTG の判読ポイント一過性徐脈の最下点子宮収縮のピーク図Ⅰ?Ⅱ?5 早発一過性徐脈の特徴