ブックタイトルガイドライン2015準拠 新生児蘇生法NCPR

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概要

ガイドライン2015準拠 新生児蘇生法NCPR

80Point ● 早産児の蘇生に関する改訂のポイント冒頭のシナリオでは,情報を共有し,4 人の役割分担を以下のように決めていました.症例12 は胎児の重度低酸素血症・心機能低下が予想され,文字通り「蘇生」の準備が必要でしたが,この症例は「適応のサポート(support of transition)」の準備に集中していることに注目してください.つまり可能性がないとはいいませんが,胸骨圧迫やボスミン R投与を要するような経過になる確率はとても低いと考え,その分呼吸サポートや保温に力を入れています.共有した患者情報母35歳,初産.妊娠25週,母体適応(HELLP症候群)で緊急帝王切開.推定体重は600 g,リンデロン R投与なし.感染症はすべて陰性.役割分担小児科医1 小児科医2 看護師1 看護師2①物品準備動作確認吸引,喉頭鏡Tピース設定サーファクタント準備保温の準備モニターの確認② 初期処置体位を整える鼻口腔の吸引臍帯ミルキング羊水清拭心電図装着羊水清拭パルスオキシメータ装着③ 呼吸サポートCPAPまたは人工呼吸ラップで覆う・時間経過報告・余裕があれば記録・ 指示があれば流量や酸素濃度を変更・体温測定④ 気管挿管気管挿管サーファクタント投与挿管介助⑤ サーファクタント人工呼吸体位変換⑥ 移 動人工呼吸NICU連絡保育器移動2015 年の改訂で,早産児の蘇生に関する内容は以下のとおりです.・ 32 週未満の早産児蘇生における保温の重要性が強調されました(症例9 参照?p. 55).・35 週未満の早産児に対する人工呼吸の開始酸素濃度の推奨が21?30%になりました.・ 出生後に努力呼吸を認める(在胎30 週未満の)早産児に対しては,挿管換気を開始する前にCPAPを試みることが推奨されました(症例5 参照?p. 31).・ 出生後の早産児に人工呼吸を行う際には,呼気終末陽圧(PEEP)を使用することが推奨されました(症例5 参照?p. 31).・ 30 週未満の早産児では30 秒以上の臍帯遅延結紮が推奨されました.