ブックタイトル子どもの風邪

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概要

子どもの風邪

52Ⅱ 風邪の病態生理を考える 咳は発熱に次いで多い受診理由です.しかし,咳嗽にどのように対応するかについては,各医療機関によって大きく異なり,混乱があるように思われます. ヒトが呼吸するとき,空気は鼻から入り,咽頭を通過して喉頭以下に送られます(図Ⅱ-10 , 11).一方,口から入った水分や食物も咽頭を通り,嚥下作用によって選択的に食道以下に送られます.咽頭は,空気と食物の双方が通る場所であることに注意が必要です.気道は生物進化の過程で消化管から発生したために,咽頭から下で消化管から分かれています.喉頭を通った空気は気管に送られ,気管支から肺へと至ることになります. 鼻腔や口腔では常に粘液が産生され,咽頭に流れていきます.こういった分泌物を,ヒトは定期的に嚥下によって食道へ流すことで処理しているので咳 嗽5 Ⅱ 風邪の病態生理を考える前頭洞耳管開口部口蓋扁桃咽 頭喉 頭気 管食 道図Ⅱ-10 上気道の構造舌 根(舌扁桃)喉頭蓋声帯ヒダ(真の声帯)声門裂気 管食 道図Ⅱ-11 喉頭を上からみたところ