ブックタイトル放射化学放射線化学 改訂5版

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概要

放射化学放射線化学 改訂5版

F. 放射線の測定法と線量測定法  101ンの移動によって電流パルスが生じる.図4?14 に示すように計数管にかける電圧をさらに上げていくとガス増輻率も増すが,一次電子の数と脈動の大きさとの比例性が失われ,ついには一次電子の数とは無関係につねに同じ大きさの出力パルスが出るようになる.この電圧領域をガイガー域といい,この領域で作動する計数管をガイガーミューラGeiger Muller(GM)計数管という.アルゴンのような不活性気体だけを封入した計数管では,一度起こった放電はそのままでは止まらないため電圧を下げる(外部消滅型)か消滅ガスを入れる.消滅ガスとしてはエチルアルコール,エチレンなどが封入してある.消滅ガスが有機分子の場合,放電ごとに解離するため計数管には寿命がある.また消滅ガスとして塩素,臭素などのハロゲンガスを使用したものがあり,ハロゲン計数管と称している.ハロゲン計数管は低圧(200~700 V)で作動する,半永久的寿命があるなどの利点があるがプラトーが短い欠点がある. 中性子検出用には BF3比例計数管や3He 比例計数管ならびに6L(i n,α)反応を利用した中性子検出器がある.前者は105B(n,α)73Li の核反応の,後者は32He(n,t)11H の核反応の断面積が大きいことを利用したものである.3He 比例計数管では熱中性子から約15 MeV までの高速中性子の測定ができるように減速材にポリエチレンを使用している.内部にホウ素化合物を使用して,カウン印加電圧(対数)パルスの波高比例域飽和域再結合域非比例域放電域ガイガー域図4?14. ガスカウンタにおける印加電圧と出力パルスの波高との関係