ブックタイトル放射化学放射線化学 改訂5版

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概要

放射化学放射線化学 改訂5版

98  4 章 放射線と物質との相互作用そのエネルギーはkeV から109eV 以上に達するものまであるので,測定に使う原理と方法は異なる.また測定といっても単に放射線が出ていることを知ればよいといったようなものから,その放射線の種類,エネルギー分布あるいは放射能の絶対量を知る必要のあるような測定まで測定内容に差がある.放射線の検出は原理的に放射線の電離作用を利用する.そのため中性子とか電磁波などは物質との相互作用を利用して荷電粒子を二次的に生成させて測定する.生じた荷電粒子の検出には電気的な検出器,光を利用する検出器,飛跡を利用する検出器がある. 図4?11 に示すように気体(アルゴン,あるいは窒素)を封入した2 つの電極間に電界をつくっておくと,放射線の作用によって生じた気体のイオン対はそれぞれの電極へ移動する.電界の強さが弱いときには生じたイオンのうちの一部は電子と再結合するが,電界の強さが大きくなるにつれ再結合の起こる度合は減少し,適当な電界の強さに達すると生じたイオン対はすべて電極に集められ,電離電流は飽和するようになる(図4?12).電離箱を流れる電流は,通1 電離箱による測定P1Q1チェレンコフ輻射の方向粒子の運動の方向P2υθc図4?10.チェレンコフ輻射の原理