ブックタイトル放射線治療学 改訂6版

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概要

放射線治療学 改訂6版

上咽頭癌 137EBV 抗体価(抗ウイルスカプシド抗原VCA,早期抗原EA)c .病理組織診断 旧WHO 分類(Ⅰ型:角化型扁平上皮癌,Ⅱ型:非角化型扁平上皮癌,Ⅲ型:未分化癌またはリンパ上皮腫)が広く用いられる.Ⅰ型は転移能が少ないが放射線感受性は比較的低く,Ⅱ?Ⅲ型に比べて予後不良である.中国南部の多発地からの報告では,Ⅰ型の頻度が1%だが,わが国では10%である.頻度の低い組織型として腺様?胞癌,腺癌,乳頭腺癌,粘表皮腫がある.Waldeyer’s ring 部位にリンパ腫が発生する.d .原発部位1)後上壁:硬口蓋と軟口蓋の接合部の高さから頭蓋底まで(C11.0,1)2)側壁:Rosenmuller 窩を含む(C11.2)3)下壁:軟口蓋上面(C11.3) 注 鼻中隔の後縁を含む後鼻孔の縁は固有鼻腔に含める.e .TNM 分類(表6?4,6,8)と病期分類(表6?5,7,9)2 治  療a .治療方針 上咽頭癌は放射線感受性が高く,解剖学的には脳神経,内頸動脈,頭蓋底に近接し切除困難であり,放射線治療が第一選択となる.Ⅰ期(放射線治療単独),ⅣC 期(化学療法)を除き,同時併用の化学放射線療法が標準治療である.同時併用療法では白金製剤中心の薬剤併用が標表6?4.上咽頭癌のTNM 分類(UICC,第8 版)TX 原発腫瘍の評価不能T0 原発腫瘍を認めないTis 上皮内癌T1 上咽頭に限局する,あるいは傍咽頭間隙浸潤を伴わないで中咽頭および/または鼻腔に進展する腫瘍T2 傍咽頭間隙へ進展および/または内側翼突筋,外側翼突筋,および/または椎前筋へ浸潤する腫瘍T3 頭蓋底骨組織,頚椎,翼状突起,および/または副鼻腔に浸潤する腫瘍T4 頭蓋内進展および/または脳神経,下咽頭,眼窩,耳下腺に浸潤,および/または外側翼突筋側面を越えて浸潤する腫瘍NX 所属リンパ節の評価不能N0 所属リンパ節転移なしN1 輪状軟骨下縁上方の片側頸部リンパ節転移,および/または片側または両側咽頭後リンパ転移で最大径6 cm 以下N2 輪状軟骨下縁上方の両側頸部リンパ節転移,最大径6 cm 以下N3 最大径6 cm 超頸部リンパ節転移,および/または輪状軟骨下縁より下方へ進展するM0 遠隔転移なしM1 遠隔転移あり表6?5. 上咽頭癌の病期分類(UICC,第8 版)0 期Tis N0 M0Ⅰ期T1 N0 M0Ⅱ期T1 N1 M0T2 N0,N1 M0Ⅲ期T1,T2 N2 M0T3 N0,N1,N2 M0ⅣA 期T4 N0,N1,N2 M0ⅣA 期T に関係なくN3 M0ⅣB 期T に関係なくNに関係なくM1