ブックタイトル放射線治療学 改訂6版

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概要

放射線治療学 改訂6版

136 頭 頸 部5 治療成績 組織内照射単独での5 年局所制御率はⅠ期で85~90%,Ⅱ期で75~85%である.(清水谷公成) 頭頸部癌の中では発生頻度が低く,わが国の罹患数は年間500 人である.中国南部などの東アジアの罹患率が高く,欧米ではわが国よりさらに低い.2013 年度頭頸部悪性腫瘍全国登録では頭頸部癌の3.2%である.40~60 歳代に好発するが,若年者の発症もみられる.男女比は3:1 である.EB ウイルス(Epstein?Barr virus:EBV)と発症の関連もあり,多くの症例でEBV 抗体価の上昇がみられる.血中EBV?DNA 量が予後因子と考えられているが,わが国では保険未収載である.1 診断,分類a .症 状 頸部腫瘤の発症が多い.中耳炎,耳閉感,難聴,鼻出血,鼻閉感を伴う.進行癌では脳神経障害によって外転神経麻痺(複視),三叉神経・舌下神経麻痺(開口障害,嚥下障害),頭蓋底浸潤からくる頭痛を伴う.b .診 断 視触診,生検,咽頭内視鏡,胸部X 線,頸部MRI,頸・胸・腹部CT,PET またはPET?CT,C 上咽頭癌(cancer of the nasopharynx:C11)図6?12. 舌癌(50 歳代男性 扁平上皮癌,Ⅰ期)HDR 長期制御例a: 高線量率分割組織内照射におけるチューブ(4本)留置時の口内写真b: 治療後16 年の舌(局所制御が確認されている)c: 治療後16 年の舌(舌尖は下顎前歯部を超え,かつ患側への偏位もなし).自己満足度:100%,味覚障害なし,口内乾燥症なしa bc