ブックタイトル放射線治療学 改訂6版

ページ
5/12

このページは 放射線治療学 改訂6版 の電子ブックに掲載されている5ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

放射線治療学 改訂6版

小線源治療 99 IGBT には3 種類のモダリティがある.腔内照射,組織内照射,および腔内照射のアプリケータ配置に数本の組織内刺入を併用した腔内組織内照射である(図4?35).いかに使い分けるかが問題になる.線量分布の良さだけを考えれば組織内照射が優れるが,侵襲の問題から腫瘍が小さい場合には腔内照射,腔内組織内照射で対応可能である. 2×2×2 cm~6×4×4 cm までの直方体の腫瘍モデルを用いたシミュレーション実験では,古典的な腔内照射は4×3×3 cm(つまりA 点と腫瘍の外縁が一致する)の場合のみに有効な線量分布が得られ,それより小さいものは画像誘導腔内照射の線量分布が優れる.前述の臨床成績を裏付ける. 反対に,4×3×3 cm を超える場合は腔内組織内照射,組織内照射が優れる.これもHR CTVが大きい症例(平均値44 cc)に腔内組織内照射を行ったところ,85 Gy の処方線量が(外照射を含む)D90 で96 Gy(平均値)投与できた臨床結果と相関する. 腔内組織内照射と組織内照射のすみわけはまだ不明である.しかし,D100 は組織内照射が優れるため,GTV がHR CTV の辺縁にまで進展している場合は,組織内照射が望ましい.図4?35. 子宮頸癌に対するIGBT の線量分布a: 子宮頸癌に対する膣内照射の線量分布.処方線量が投与された体積は53 cc で通常(100~120cc)の半分以下であった. 白色実線:6.5 Gy/回 白色点線:HR CTV(高リスク臨床(的)標的体積) 黄色: 膀胱,青色:尿道,水色:小腸,緑色:S 状結腸,桃色:直腸b: 子宮頸癌に対する腔内組織内照射の線量分布. 白色実線:6.5 Gy/回 白色点線:HR CTV(高リスク臨床(的)標的体積) 水色実線:膀胱,緑色実線:S 状結腸c: 子宮頸癌に対する組織内照射の線量分布. 白色実線:6 Gy/回 白色点線:HR CTV(高リスク臨床(的)標的体積) 黄色:膀胱,水色:小腸,橙色:直腸a bc