ブックタイトル放射線治療学 改訂6版

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概要

放射線治療学 改訂6版

甲状腺腫瘍 357を3.7~7.4 GBq(100~200 mCi)投与し,3 日前後のアイソトープ病室への入院隔離が必要である.半年から1 年ごとに,合計800 mCi 程度または腫瘍に131I が取り込まれなくなるまで反復する(図20?2).さらにソラフェニブやレンバチニブなどの分子標的薬が導入され,その効果が期待されている.甲状腺髄様癌では131I?MIBG(meta?iodobenzylguanidine)の大量投与による治療が一部の施設でされている.外照射は,131I 治療に抵抗性の病変,手術不能例,遠隔転移などによる緩和目的で用いられる.b .治療法(外照射)1)装 置 4~6 MV X 線を用いる.2)照射野 腫大したリンパ節に所属リンパ節領域を考慮して照射野を決定する.頸部と縦隔レベルの体厚差が大きく,腫瘍線量の確保,脊髄への過線量を避けるために3 次元治療計画をする.できればIMRT での計画が望ましい(図20?3). ① 分化癌や髄様癌ではアイソトープ治療の無効病変が外照射の対象になる.術後残存腫瘍や再発腫瘍,切除不能腫瘍に対してリンパ節転移の部位を考慮して照射野を決定する.表20?1.甲状腺癌のTNM 分類(2017)TX 原発腫瘍の評価不能T0 原発腫瘍を認めないT1 腫瘍最大径2 cm 以下,甲状腺に限局T1a 腫瘍最大径1 cm 以下,甲状腺に限局T1b 腫瘍最大径1 cm 超2 cm 以下,甲状腺に限局T2 腫瘍最大径2 cm 超4 cm 以下,甲状腺に限局T3 腫瘍最大径4 cm 超,甲状腺に限局,あるいは舌骨下筋(胸骨舌骨筋,胸骨甲状筋または肩甲舌骨筋)のみに浸潤する肉眼的甲状腺外進展を伴うT3a 腫瘍最大径4 cm 超,甲状腺に限局T3b 腫瘍径に関わりなく舌骨下筋(胸骨舌骨筋,胸骨甲状筋または肩甲舌骨筋)のみに浸潤する肉眼的甲状腺外進展を伴うT4a 甲状腺被膜を超えて進展し,皮下軟部組織,喉頭,気管,食道,反回神経のいずれかに浸潤T4b 椎前筋膜,縦隔内の血管に浸潤,または頚動脈を囲繞するNX 所属リンパ節の評価不能N0 所属リンパ節転移なしN1 所属リンパ節転移ありN1a レベルⅥ(気管前,気管傍,喉頭前/Delphianリンパ節)または上縦隔のリンパ節転移N1b その他の片側,両側または対側頸部リンパ節(レベルⅠ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ,Ⅴ)または咽頭後リンパ節転移M0 遠隔転移なしM1 遠隔転移あり表20?2.甲状腺癌の病期分類(UICC,第8 版)乳頭癌・濾胞癌・低分化癌55 歳未満Ⅰ期T に関係なくN に関係なくM0Ⅱ期T に関係なくN に関係なくM155 歳以上Ⅰ期T1a,T1b,T2 N0 M0Ⅱ期T3 N0 M0T1,T2,T3 N1 M0Ⅲ期T4a N に関係なくM0ⅣA 期T4b N に関係なくM0ⅣB 期T に関係なくN に関係なくM1髄様癌Ⅰ期T1a,T1b N0 M0Ⅱ期T2,T3 N0 M0Ⅲ期T1,T2,T3 N1a M0ⅣA 期T1,T2,T3 N1b M0T4a N に関係なくM0ⅣB 期T4b N に関係なくM0ⅣC 期T に関係なくN に関係なくM1未分化癌ⅣA 期T1,T2,T3a N0 M0ⅣB 期T1,T2,T3a N1 M0T3b,T4a,T4b N0,N1 M0ⅣC 期T に関係なくN に関係なくM1