ブックタイトル在宅栄養管理 改訂2版

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概要

在宅栄養管理 改訂2版

1632chapter本書では,倫理的な事柄について敢えて章を設けました.今日の日本を代表する,臨床倫理の専門家に,基本的な考え方や方法論について解説していただいています.本書を手に取られた皆さんは,日々,在宅医療の患者さんとご家族に相対しながら,時に,「本当に,私がやっていることは患者のためになっているのだろうか」「経管栄養をこの方に勧めていいものだろうか」と悩みながら,日々の臨床を行っていることと思います.おそらく,皆さんが悩んでいるのと同じぐらい,もしくはもっと,患者さんやご家族は悩んでいることでしょう.本書では,臨床倫理の原則をきちんとふまえた上で,それだけではなく,様々な立場で人工栄養の問題と取り組んでこられた先達がどのように考えているのか,どんなことを問題だと感じているのか,ということを是非とも知っていただこうと考え,第一線で活動する4 名の方に自由にご自身の考えを述べてくださるようお願いしました.川島孝一郎氏は,長年仙台で在宅医療を行ってこられ,ALS を中心に難病の方たちを支えておられます.もしも,皆さんの患者さんやご家族が,治療継続の中止などを希望された場合には絶対に読んでいただきたい文章です.鈴木裕氏は,胃瘻の正しい使い方,胃瘻の開発など長年胃瘻に取り組んできた胃瘻の第一人者です.ご自身も胃瘻を造る側の外科医として多くの患者に対峙された経験から,安易な導入にも,そして安易な中止についても警鐘を鳴らされておられます.倉敏郎氏は北海道の町立病院で胃瘻造設と管理を長年されてきた,まさしく第一線の臨床家です.現場で感じる胃瘻の課題について書いてくださっています.石飛幸三氏は外科医として,先端医療に長年従事した後,現在は芦花ホームという老人ホームで医師として働いておられます.「平穏死のすすめ」の著者としても有名です.徐々に衰えつつあるご高齢の方たち,認知症の方たちの栄養をどう考えるかについて示唆に富んだ内容になっています.本章が皆さんの悩みを解決する一助になればと願っています.〔小野沢 滋〕栄養を巡っての様々な考え方