ブックタイトル在宅栄養管理 改訂2版

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概要

在宅栄養管理 改訂2版

48Ⅰ.高齢者が食べられない時の対処(2)実際の在宅の現場では在宅医療の現場では経静脈栄養よりは経腸栄養がいろいろな面で優れていることはすでに述べた.医学的な適応は上のASPEN や日本静脈経腸栄養学会のガイドラインに従うべきであるが,在宅医療という場を考えた時にはさらにいくつかのことを考慮する必要がある.在宅医療は病院での医療と異なり,患者と長期に,そして多くは患者が亡くなるまで,患者だけでなくその家族の生活をも見ていく必要がある.日本で胃瘻患者の予後を調べた論文では,他国のデータに比べ予後が良いことが示されている3,4).図Ⅰ-4-2 は私たちの施設で,脳梗塞の患者の予後を調べたものである.このように,脳梗塞の患者では経管栄養の有無にかかわらず3 ?5 年,神経難病などでは7 ?8 年ほど在宅医療でずっと関わっていくことになる.したがって,私たち医療者は生活を支えているのだという視点で患者と家族に関わる必要がある.私は栄養の投与経路を決める時に以下のことに気をつけるようにしている.①食事の介護者が誰か.どの程度の時間が割けるのか.② その栄養方法を選択した場合に患者や家族が希望する生活が可能か.幸せになれるのか.はいいいえ経腸栄養経静脈栄養嚥下可能嚥下不可能2週間未満2週間以上経口摂取摂取量十分摂取量不十分比較的短期間6週間未満程度比較的長期間6週間以上胃瘻造設可能胃瘻造設不可能経口摂取単独末梢静脈経口併用胃瘻P─TEG 腸瘻経鼻胃管経管栄養末梢静脈栄養中心静脈栄養末梢静脈補液皮下補液経管経口併用腸管は使用できるか図Ⅰ-4-1.ASPEN ガイドライン2002( 部分)に基づいた在宅医療での投与経路選択アルゴリズム