ブックタイトル実践!ケースで学ぶ栄養管理・食事指導エキスパートガイド

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実践!ケースで学ぶ栄養管理・食事指導エキスパートガイド

24 Ⅱ . 疾患別の栄養管理病態の読み方 38歳発症,発症当初の治療は食事療法のみであったことから,比較的緩徐な発症様式であり,糖尿病家族歴,過食習慣を認め,膵島関連自己抗体陰性より,糖尿病の「成因」としては2 型糖尿病が考えられます.高血糖(血糖値296 mg/dL)にもかかわらず相対的なインスリン値が低値(IRI 3 . 8μU/mL)であることからはインスリン分泌能の低下を,BMI ≧25(肥満1度)からはインスリン抵抗性の上昇を疑い,「病態」としてはインスリンを使用しなくては生命を維持できないインスリン依存状態ではなく,現時点では「インスリン非依存状態」であると判断します.ただし,長期間にわたって血糖状態不良であったため,膵β細胞疲弊による糖毒性が生じ,かなりインスリン分泌能が低下していることが伺えます.したがって,糖毒性の解除と疲弊した膵β細胞機能の回復を期待して,経口血糖降下薬から一時的にインスリン療法に切り替えました. また,末梢神経障害(振動覚の低下),自律神経障害(起立性低血圧),網膜症,腎症(Cr2. 1 mg/dL,尿蛋白 1. 5 g/日),大血管障害(脳梗塞の既往)の合併から,糖尿病合併症のかなりの進行および高血圧症の合併を認めました.摂取エネルギーならびに食塩の摂取過多による血糖状態および高血圧症の増悪,長期間にわたる高血糖,高血圧,喫煙・飲酒と運動不足などの身体負荷により,合併症の進行が促進されたと考えられました.栄養食事指導 糖尿病家族歴があり,さらに38 歳発症(入院時68 歳)という罹病期間の長い糖尿病患者であり,インスリン分泌能の低下傾向と過食習慣の継続期間などをふまえた合併症管理にポイントを置いた食事療法が必要となります.過去にも,栄養食事指導を受けた経験や教育入院の経験があるものの,行動変容には結びついておらず,患者さん本人に実践可能な食事療法を提案する必要があります.また,単純な血糖コントロール目的での食事療法ではなく,(網図4-2 体成分分析結果京都 太郎20XX/XX/XX