臨床腎臓内科学

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臨床腎臓内科学

■ III. 透析・血液浄化療法881 血液透析2011 年現在,末期腎不全患者の生命維持療法としては慢性透析〔血液透析(HD),腹膜透析(PD)〕と腎移植があげられる.2011 年末,わが国で慢性透析療法を実施している患者数は304, 592 人であり,一般に比すれば短いものの,5 年生存率59. 6%,20 年生存率17. 2% を誇る.その治療形態は昼間HD 82. 5% , 夜間HD 14. 1%,在宅透析0. 1% で,PD は3. 3% にすぎない1).腎移植は増加が見込まれるものの,やっとコンスタントに年間1, 000 例を超えるようになった段階である.このように,HD は,腎不全患者の生命維持療法の根幹をなす治療法である.HD は血液浄化法〔ダイアライザー・吸着筒・血漿分離器等を用いて,血液を体外循環させることにより電解質および酸塩基平衡の是正や病因(関連)物質の除去など,正常に働かない生体機能の代行ないしは補助を目的としている〕の一形態である.VA より血液を体外のダイアライザーへ誘導し,その中で透析液供給装置より供給された透析液と透析膜と呼ばれる中空糸を介して不要物質の除去,不足物質の補給を行い,浄化された血液を体内に戻す方法である.その間,血液が凝固しないように抗凝固薬を投与する.浄化された血液は,再度VA を通じて体内に戻される(図III-3-1).2 血液透析の原理HD の原理は,透析膜を通して行われる拡散diffusion と限外濾過ultrafiltration である.拡散は,粒子,熱,運動量などが自発的に散らばり広がる物理現象である.細孔を有する膜を通して,濃度差の異なる物質が高濃度から低濃度の部位に移動する.細孔より小さい溶質の拡散速度は溶質の分子量が小さいほど速く,その大きさ(重さ)に反比例する(図III-3-2).透析膜に対して陽圧もしくは陰圧を加えることで,水および細孔より小さな溶質が水とともに移抗凝固薬血液血液ポンプ透析液ダイアライザー透析装置■ 図III-3-1 血液透析療法3 血液透析のメカニズム