ブックタイトル対話で学ぶ腎不全と透析療法の知識 4版

概要

対話で学ぶ腎不全と透析療法の知識 4版

238基礎的な透析療法の知識を勉強してきたつもりですが，この予稿集を見るとわからない用語がまだたくさんあります．学会の出席までにある程度理解しておきたいので，最近の透析療法について講義をしていただけませんか．なかなか勉強熱心ですね．今まで勉強してきた中で興味のあるところはどこですか？長期の透析患者で問題となる透析アミロイドーシスということですが，うちの患者さんにも関節が痛いとか，指がしびれるとか，日常生活で非常に困っている人がいます．この原因と対策について興味があるのです．透析アミロイドーシスの原因はβ2 - マイクログロブリン（β2-MG）が関係していることはもう理解されていると思いますが，この低分子タンパクが変性して，アミロイドタンパクになるまでの過程について検討されてきています．このβ2 -MG の産生を促進する因子や関連する因子についても検討されてきているのです．さらに治療の手段として，ハイパフォーマンス膜を利用した血液透析濾過法（HDF）やon-line HDF 法があり，さらに吸着の原理により除去するカラム（BM-01・リクセル?）が市販され，β2 -MG を除去することが可能になってきているのです（図13-1）．そうなるとアミロイドーシスについては，新規導入の患者さんには今後は出現しないような状況になるのでしょうか．リクセルというのはβ2-MG の選択的吸着体が 150～350 mL のカラムに含有されており，ハイパフォーマンス膜のダイアライザの前に連結して，直接血液灌流法を行うもアミロイドーシスとエンドトキシンN仁内N仁内N仁内図13-１ on-line HDFポンプQf透析液QDOQDi補液ポンプ　透析濾過法に使用する補充液として透析液を利用する．このためにはエンドトキシン除去フィルター，水処理装置により透析液の浄化が重要である．　補液ポンプにより透析液の流入（QDi）と流出（QDO）は調和され調節される．