ブックタイトル対話で学ぶ腎不全と透析療法の知識 4版

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対話で学ぶ腎不全と透析療法の知識 4版

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対話で学ぶ腎不全と透析療法の知識 4版

66についても除去しなければならないカリウム(K),リン(P),マグネシウム(Mg)などがあります(図4-2).拡散により物質が移動する量は,次の 3 つの因子により決まります.すなわち,膜の両側に存在する溶液の濃度差(濃度勾配),膜の面積,膜の透過係数です.最初の濃度勾配の点を考えれば,除去しようとする物質であれば一方の溶液の濃度を 0 とすればよいことになります.それほど除去したくなければ,濃度差をあまり大きくしなければいいし,補給したいのであれば,他方の溶液の濃度を高くすればよいことになります(図4-3). ですから,透析療法を行うには半透膜を介して,2 つの溶液が存在することが必要となります.一方は腎不全患者の体液(血液)ですが,もう一方は何ですか.透析液ではないのですか.そのとおり.腹膜透析法の場合には,灌流液という用語もありますが,どちらも透析液でよいでしょう.透析液については,別の機会にもっと詳しく話しましょう. 腎不全では尿素窒素やクレアチニンなどの代謝老廃物の除去,電解質の調整のほかに,水分の除去も大切なことです.水分の除去はどうすればよいでしょう.えーと,透析液の水分をなしにするわけにはいかないし,そうか,浸透圧を利用すればよいのですね.それから限外濾過も水分を除去することができるのですね.腎不全患者では,腎機能の低下にしたがって溶質の排泄が障害されるだけでなく,水分の排泄も障害されます.ですから,透析療法では水分の除去は非常に重要となるのです.腹膜透析法では浸透圧により,血液透析法では主として限外濾過により除去するのです.腹膜透析法では,どのようにして浸透圧を高くすればよいのですか.腹膜透析法では,半透膜として腹膜を利用します.腹圧をかけたって意味はありませんから,透析液の浸透圧を高くさせる目的にブドウ糖を加えてあります.糖を加えることによって,どの程度浸透圧は高くなるのですか.仁内N仁内N仁内N仁内N図4-2 透析の原理透析液側透析膜血液側赤血球細菌KPUreaβ2-MGエンドトキシンHCO3CaCrUANaClMgCl MgNa