ブックタイトル実践から識る!心不全緩和ケアチームの作り方

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概要

実践から識る!心不全緩和ケアチームの作り方

48心不全のどの病期においても,看護師の関わりはとても重要である.末期においては特に,患者・家族の最もそばにいる医療者として,診療補助,看護ケア,意思決定支援,家族ケアと多面的に患者・家族を支援している.また,患者に多職種で協働し支援できるよう調整する役割も担っている.本項では,心不全の緩和ケア提供において主体的な役割を果たす病棟看護師の役割について述べ,さらに緩和ケアチームにおける看護師の役割について病棟リンクナースと緩和ケアチーム専任看護師を例に追記し,概説する(表2-E-1).1─ 診療補助a.患者の状態を評価し,症状を緩和するまず,患者の病期,治療方針を把握する.患者の状態を評価し,患者が一番苦痛に感じていることは何かを知り,自分たちができることを考える.症状が強ければ,重要な意思決定はできないので,まず,症状を緩和できるよう,医師に患者の状態を情報提供し,症状緩和を図ることが必要である.b.安全・安楽に療養できるための支援症状を緩和するために,医師が指示する薬剤について,安全に投与できるよう,薬効・副作用を理解し投与する.症状緩和のためにオピオイドを使用する際には,麻薬の取り扱いに留意し,安全に確実に投与する.薬剤投与時は,患者・家族に説明を行い,投与前・後で症状が緩和したのか確認し, 記録, 報告を行う. 症状の評価については,Visual Analogue Scale(VAS)やNumerical Rating Scale(NRS)など各施設で決められたものを使用し記録する.患者の言葉や行動時の表情なども記載すると伝わりやすく,評価がしやすくなる.2─ 看護ケア末期になると,患者は苦痛を抱え,療養生活を送る.身体的苦痛,精神心理的苦痛を緩和するためには非薬物療法がとても重要である.特に,看護ケアは,非薬物療法の中でも功を奏するものであり,具体的なものを取り上げる.E 看護師の役割