ブックタイトル多職種カンファレンスで考える心不全緩和ケア

ページ
13/16

このページは 多職種カンファレンスで考える心不全緩和ケア の電子ブックに掲載されている13ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

多職種カンファレンスで考える心不全緩和ケア

1135 不 安緩和ケアチーム心理療法士「不整脈が出ることに対する不安よりも,『ICD 作動=死』という恐怖感がより強い印象ですね.心理検査でも不安傾向が高く出ています.まずは,『透析室=ICD作動=死』という誤った認知を変えていくことが必要だと思います.」緩和ケアチーム医師「では,不安の訴えは,心理療法士を中心に多職種で認知行動療法的な関わりをお願いします.不眠については,何か良い方法はありますか?」緩和ケアチーム薬剤師「現在処方されている睡眠導入薬の効果はどうですか?」病棟看護師「服用して2 時間くらいは寝られるそうですが,その後は朝までずっと起きている様子です.できれば朝までぐっすり寝たいと話しています.」主治医「致死性不整脈の抑制という意味でも終夜しっかりと睡眠を摂ってもらいたいのですが,既に多くの薬剤を服用しているので,睡眠薬の追加・併用は避けたいところです.」緩和ケアチーム薬剤師「現在の処方はゾルピデム(マイスリーR)という作用時間の短い睡眠薬ですので,これを少し作用時間の長い睡眠薬へ変更することも良いと思います.」緩和ケアチーム看護師「患者さんは,薬の変更に抵抗感はありませんか?」主治医「変更する際には丁寧に説明するよう心掛けているので,ないと思います.」緩和ケアチーム医師「それでは,睡眠薬の変更をご検討ください.ブロチゾラム(レンドルミンR,0.25 mg/日)を提案します.」緩和ケアチーム薬剤師「ゾルピデムは半減期約2 時間,ブロチゾラムは約7 時間ですので,効果は期待できると思います.翌朝へ持ち越すことがあるので,変更後,しばらくは朝方の倦怠感,日中の傾眠に注意してください.」