ブックタイトル多職種カンファレンスで考える心不全緩和ケア

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概要

多職種カンファレンスで考える心不全緩和ケア

112 40歳男性.診断は肥大型心筋症,心室頻拍(VT),慢性腎不全.心室頻拍は持続性であり,ICD植込みとなっていたが,頻回作動のため再入院となった.今回の再入院を機に慢性腎不全に対する人工透析導入となったが,ある日の透析中にICDが作動した.それ以来,不安と恐怖で透析室へ行けなくなってしまった.植込み型除細動器作動の不安・恐怖から透析ができない患者5 不 安1 苦痛に対するマネジメント緩和ケアチーム医師「まず,現在の治療目標と今後の見通しを教えてください.」主治医「今回の入院では,抗不整脈薬とICD 設定の調整を主としており,この入院を機に透析を導入しました.現在,抗不整脈薬とICD 設定の調整はおおむね完了しており,透析の通院先も自宅近くで目星はついています.残すは,透析への不安軽減のみです.」緩和ケアチーム看護師「病棟看護師の関わりとしてはどうですか?」病棟看護師「透析前日の夜から不安の訴えが増え,不眠傾向になります.そのため,前夜には不安の訴えをゆっくりと傾聴し,不眠時に睡眠導入薬の服用を勧めています.」緩和ケアチーム心理療法士「不安の訴えの詳細を教えてください.」病棟看護師「『透析室へ行ったとき,また不整脈が出るかもしれない.次は死ぬかもしれない』と繰り返しています.」カンファレンス 患者本人も透析が必要なことは十分理解しており,不安・恐怖に加えて透析室へ行けなくなった自分自身への嫌悪感を抱きつつある様子です.このような場合,どうすれば良いのでしょうか?