ブックタイトル日本の循環器診療 現場〈リアル〉への招待

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概要

日本の循環器診療 現場〈リアル〉への招待

42 Ⅱ.不整脈に関する日本人の疑問IntroductionchArrhythmia CAD Heart Failure心室期外収縮の現状 心臓血管研究所付属病院において「心室期外収縮」という診断が行われた件数を年度別に示します(図10-1).1 年におおよそ300 人が新たに心室期外収縮と診断されていることになります.Shinken Database へ2004 ?2014 年度に登録された患者のうち,ホルター心電図検査を初診時に行った7,625 人のデータから,1 日の心室期外収縮総数と器質的心疾患が診断される割合との関係を図10-2 に示しました.心室期外収縮の総数が0 発/日の患者では器質的心疾患の存在は4.8%であるのに対して,1 ?99 発/日では11.5%,100 ?999 発/日では20.0%と直線的に増加しましたが,1,000 ?9,999発/日では16.3%,10,000 発/日以上では14.5%と逆に下がっています(図10-2A).一方で,心室期外収縮最大連発数が増えていくと,器質的心疾患保有割合は直線的に増加し,3 連発未満では11.8%,3 連発以上10 連発未満では25.9%,10 連発以上では36.1%でした(図10-2B).Lown 分類と器質的心疾患別にみた心室期外収縮患者の予後 Lown 分類は,心筋梗塞発症後に認められる期外収縮の重症度を判定するための分類です1)(表10-1).Lown 分類別の死亡率を報告した1980 年代の研究では,平均30 カ月の10 心室期外収縮は放置してよい?5001001502502003003504002004 2005 2006 2007 2008 2009年 度2010 2011 2012 2013 2014 2015心室期外収縮の診断件数〔人〕図10-1 心室期外収縮の年度別診断件数(心臓血管研究所付属病院)