ブックタイトルてんかんの手術の正しい理解

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てんかんの手術の正しい理解

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てんかんの手術の正しい理解

第8 章 手術して心配なことは何か87手術して心配なことは何か 手術で発作がどの程度よくなるかも心配であるが,これについては次章にゆずり,ここでは手術に伴う合併症について述べる.この場合の合併症とは,最善を尽しても避けることができなかった出来事のことであり,通常は開頭術による頭蓋内の出血や感染などであるが,あってはならないアクシデントも含まれる.てんかんの外科治療では,電極留置による頭蓋内脳波が行われる.これは検査であることから,合併症を頭蓋内脳波の場合と手術の場合に分けることにする. ところで,てんかんの手術では脳の切除や離断が行われるので,脳の働きに対して何らかのよくない影響が起こる可能性を常に考慮しなければならない.しかし,この場合の影響は,発作消失の代償としてある程度はやむを得ないことであり,術前から想定されているので,合併症とは切り離し,手術に伴う機能障害として扱うことにする. なお,ここでは開頭術による場合に限ることにする.迷走神経刺激療法の合併症については第4章2c を参照されたい.1 頭蓋内脳波の合併症 頭蓋内脳波では,頭蓋内に電極を留置するための手術が行われ,電極は2?3週間留置され,その間に脳波記録が行われる.したがって,合併症としては手術によるものと電極の慢性留置によるものがあり,一般には感染症(髄膜炎,骨髄炎,脳膿瘍,頭皮感染など)が約半分を占め,次は頭蓋内(硬膜下,硬膜外,あるいは脳内)の血腫が多い.第8 章