ブックタイトルてんかんの手術の正しい理解
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てんかんの手術の正しい理解
44がみられ,一つの症候群とみなされている.なお,海馬硬化とは,病理の言葉であり,海馬の神経細胞が死滅し,代わりにグリア細胞が増殖して硬くなっている状態をいう. 小児では熱性けいれんがよく起こるが,この症候群では,5歳以下(1歳前後が多い)の時期に,熱性けいれんの重積が約半数の症例でみられる.その他,周産期の虚血・低酸素状態,脳炎,頭部外傷などの既往がみられることもある.てんかん発作は4?16歳頃(平均10歳)に全身けいれんで初発しやすい.初めの頃は抗てんかん薬の投与で容易に抑制され,数年後には中止されていることも多い.しかし,再発すると適切な薬物治療にも関わらず,意識が減損する複雑部分発作が1.内側側頭葉てんかん症候群2.限局性の病変による部分てんかん a. 大脳皮質形成障害 (皮質異形成,多小脳回,裂脳回,異所性灰白質など) b. 腫瘍性病変 (グリア神経細胞系腫瘍,グリア系腫瘍) c. 血管奇形 (海綿状血管腫,動静脈奇形) d. スタージ・ウェーバー症候群 e. 結節性硬化症 f. 視床下部過誤腫 g. その他の限局性病変 (瘢痕脳回,脳梗塞・出血,脳炎・脳膿瘍,脳挫傷など)3.一側半球の広範な病変による部分てんかん a. 片側けいれん片麻痺てんかん症候群 b. ラスムッセン症候群 c. 片側巨脳症4.器質病変を認めない部分てんかん5.一部の症候性全般てんかん a. ウエスト症候群 b. レノックス・ガストー症候群表3.手術の対象になるてんかん