ブックタイトルてんかんの手術の正しい理解
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てんかんの手術の正しい理解
第4 章 てんかんの手術とはどういうものか31てんかんの手術とはどういうものか 発作が脳の限局した部位から始まっている場合,そこを取り除けば発作は止まるだろうというのが外科の一般的な考え方であり,新たな機能障害を伴わないで発作が消失し,薬を飲む必要もなくなれば,てんかんが治ったといってよく,これはすばらしいことである.このような手術を切除(根治)外科という.しかし,切除すると重篤な機能障害が必発する,あるいは,発作が脳の広い範囲から起こっていると思われる症例では,このような手術を行うことはできない. 脳の生理学的な機序を利用して,できるだけ少ない侵襲で発作を止めることはできないか.以前からさまざまな試みがなされてきた:定位脳手術による視床や基底核の破壊・刺激(第1章4参照),小脳の刺激,皮質表面や海馬の冷却,脳内への抑制物質の投与など.今日,医療として行われている方法は,軟膜下皮質多切術,脳梁離断術,および迷走神経刺激療法であり,発作発射の同期や波及を抑制する,あるいは脳全体の発作閾値を上げることによって,発作の改善を図ろうとするものである.このような手術は緩和外科と呼ばれる.1 切除外科 第2章1で「てんかん原性の形成」を説明するのに,頭部外傷を例にして,てんかん原性は損傷された領域の周辺に形成されると述べた.血管腫やグリア系腫瘍の場合も同様であり,てんかん原性は病変部位の周辺に形成される(図5a).しかし,脳がマダラ状に損傷される第4 章