ブックタイトルてんかんの手術の正しい理解
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てんかんの手術の正しい理解
序章 日本のてんかん外科の現状1日本のてんかん外科の現状 てんかんはありふれた病気であり,その頻度は200 人に1?2人とされる.今日では薬物治療が進歩しているので,薬を規則的に服用していれば発作は抑制され,有意義な生活を送ることができる.しかし,そうはいっても10 ?20%の症例は,適切な薬物治療にもかかわらず,意識が消失したり全身がけいれんして他人にわかる発作が月に1回程度はみられ,日常の生活にも支障をきたしているのが実情である.1 手術症例の数 この薬物治療では発作を抑制できない症例の内で,手術に適した症例が実際どのくらい存在するものか.これは難しい問題であるが,最近のイギリスの調査によると,てんかんと診断された564 例を10 年以上にわたって追跡したところ,その内の17 例は手術したほうがよいと考えられた.すなわち,手術適応症例はてんかん全体の3%であったという.この3%をもとに,日本の人口1億2千万人で試算してみると,てんかんの年間発症率(約50/100,000 人)からは,1年間に1,800人の手術適応症例が発生していることになる.さらに,有病率(調査時点における患者数の割合:約5/1,000 人)からは,すでに18,000 人の手術適応症例がプールされていることになる. しかし,日本で行われている最近の手術症例数は年に500 例前後である.医学的に手術適応があるとみなされても,さまざまな理由によって,また手術を希望しないこともあるので,実際に手術に至る症例は序章