ブックタイトル症例から学ぶ 戦略的てんかん診断・治療
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症例から学ぶ 戦略的てんかん診断・治療
経過長時間ビデオ脳波で複雑部分発作を捕捉し,左側頭部から始まるてんかん発作時活動を確認した.発作中に心電図で心停止を確認した.発作頻度が多く,抗てんかん薬による発作抑制が不十分であると判断し,3 剤目としてカルバマゼピンを開始したところ,発作が消失し退院した.外来で経過観察しながら,抗てんかん薬をカルバマゼピン主体に切り替え,以後も発作は生じていない⑮.PARTⅡ 実症例から学ぶてんかん診断と治療54最終処方カルバマゼピン700 mg/日クロバザム15 mg/日最終診断側頭葉てんかんと発作時不整脈・心停止⑮抗てんかん薬での治療と同時に突然死の予防でペースメーカー挿入となることが一般的である.総合解説特に誘因のない意識消失発作を主訴に外来を訪れる患者は,てんかんおよび非てんかん性疾患を念頭に診察することが必要である.非てんかん性発作の中で頻度が高いものとして失神があげられるので,ここでは失神とてんかん発作との対比を概観しておく.失神は,脳全体の一過性低灌流によって引き起こされる一過性の意識消失および姿勢保持不能*1であるのに対し,てんかん発作は,脳神経細胞群の過剰または同期性の異常な活動によって生じる一過性の症状/徴候で,症状/徴候の詳細は関与する脳部位によって異なる.表Ⅱ-1-1 に失神とてんかん発作の主たる特徴を示す.前兆(単純部分発作).発作に関与する脳部位により症状はさまざま.嗅覚症状とdeja vu はてんかん発作の可能性高い前駆症状を認めることあり.頭重感,頭痛,複視,嘔気・嘔吐,腹痛,眼前暗黒感など短い(通常20 秒以下)意識消失前自覚症状失神てんかん発作持続時間あり(転倒による)意識消失時外傷表Ⅱ-1-1 失神とてんかん発作の主な特徴回復時間速やかに回復通常数分以上.朦朧状態が続くことあり顔面蒼白流涎はてんかん発作の可能性高い意識消失後その他症状あり(転倒,および発作症状による)全般性徐波てんかん発作時脳波パターン通常1,2 分脳波発作型,発作に関与する脳部位によりさまざま.「全身性強直間代発作」「全般性強直性間代性発作」では強直相のあと間代相が出現する.数回のミオクローヌスや間代けいれん,数秒間の強直肢位を伴うことあり運動症状見られることあり見られる(発作型による)よく見られる自動症発作後睡眠まれ発作後症状まれ筋肉痛,頭痛,嘔気・嘔吐など発作間欠時脳波正常てんかん性発射(棘波spike,鋭波)