ブックタイトル症例から学ぶ 戦略的てんかん診断・治療

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症例から学ぶ 戦略的てんかん診断・治療

PARTⅡ 実症例から学ぶてんかん診断と治療230図Ⅱ-32-2 その①の公安委員会指定診断書の記載例(主治医が記載した部分を色文字で示した)公安委員会指定書式:てんかん関係診断書医学的判断病名特発性全般てんかん,強直間代発作所見最終発作は7 年前で,バルプロ酸600 mg 服用中である.現時点での病状についての意見ア発作が過去5 年以内に起こったことがなく,今後も発作が起こるおそれがないと認められる.イ発作が過去2 年以内に起こったことがなく,今後,( )年程度であれば,発作が起こるおそれがないと認められる.ウ1 年間の経過観察をした結果,発作が意識障害及び運動障害を伴わない単純部分発作に限られ,今後,症状の悪化のおそれがないと認められる.エ2 年間の経過観察をした結果,発作が睡眠中に限って起こり,今後,症状の悪化のおそれがないと認められる.オ上記「ア・イ・ウ・エ」の症状の悪化や今後発作のおそれがないとまではいえないが,6か月後には,上記「ア・イ・ウ・エ」になると診断できることが見込まれる.カ上記「ア・イ・ウ・エ」の症状の悪化や今後発作のおそれがないとまではいえないが,6 か月より短期間( か月)で上記「ア・イ・ウ・エ」になると診断できることが見込まれる.キ上記アからカのいずれにも該当せず,運転を控えるべきである.・過去2 年以内に発作を起こした.・今後発作を起こすおそれがある.・その他図Ⅱ-32-3 その①が初めて運転免許を申請する際,申請書裏面の病状申告欄の記載例1.病気を原因として,または原因が明らかでないが,意識を失ったことがある方□2.病気を原因として発作的に身体の全部または一部のけいれんまたは麻痺を起こしたことがある方□3.十分な睡眠時間を取っているにもかかわらず,日中,活動している最中に眠り込んでしまうことが週3 回以上ある方□4.病気を理由として,医師から,免許の取得または運転を控えるよう助言を受けている方□5.1?4 のどれかに該当する方で,申請前に運転適性相談を終了している方□?6.1?4 のどれにも該当しない方□最終処方バルプロ酸徐放剤600 mg/日最終診断覚醒時大発作てんかん解説てんかんのある人が自家用車の運転免許を取得できる条件は4 通りある(表Ⅱ-32-1).本例は最初の条件ア(5 年以上の無発作)に適合し,主治医は公安委員会指定診断書のアに○をつけた.初回申請時に主治医診断書を提出すれば,免許更新の際に診断書の再提出は要さず,更新申請書の裏面の病状申告欄①を記載すればよい(図Ⅱ-32-4).医師の中には,今後発作が起こるおそれはないと医学的に断定することはできないため,診断書の記載を躊躇する場合がある.そのため,日本てんかん学会では今後発作が起こるおそれは極めて少ないという表現に変更す