ブックタイトル患者さんと医療スタッフのためのモチベーションUP!糖尿病教室
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患者さんと医療スタッフのためのモチベーションUP!糖尿病教室
4 STEP 1 きほん因と考えられています(図1 - 3).他の糖尿病の原因として,表1 - 1 にあるように,遺伝子異常,膵外分泌の疾患(膵がんなど),肝疾患(肝硬変など),内分泌疾患(バセドウ病など),薬剤(ステロイド)など,特定の機序や疾患に伴うもの,妊娠糖尿病などがあげられます. 次に,血糖値を調節する身体のしくみを理解しましょう.インスリンは,血糖値を下げるホルモンで,血糖値に応じて膵臓のβ細胞から分泌され,血液中のブドウ糖を細胞へ送り込む働きをします(図1 - 4).具体的に,肝臓ではブドウ糖をグリコーゲンとして蓄えます.筋肉では,ブドウ糖の取り込みを促進しエネルギーとして消費します.脂肪では,肝臓や筋肉で蓄積できないブドウ糖を脂質として貯蔵します.また,グルカゴンは貯蔵した燃料を動員するホルモンで,膵島のα細胞から分泌されます.肝臓では,グルカゴンの分解を促進したり,アミノ酸,乳酸,グリセロールなどからの糖新生を促し血糖値を上昇させたりします.脂肪では,遊離脂肪酸を放出させます.遊離脂肪酸は,心臓や筋肉でのエネルギー源となり,肝臓ではケトン体の基質となります.ケトン体は脳,骨格筋,心臓や腎臓などのエネルギー源として利用されます. 糖尿病は治らない病気です.それは,糖尿病が発症したときには,インスリン分泌能がすでに低下しているからです.しかし,発症から間もない時期や境界型糖尿病の時期に,適切な運動や食事を継続し体重を減らすことで,血糖値の改善が認められ糖尿病治療が必要でなくなることもあります.糖尿病治療の三つの大きな柱は,食事療法,運動図1 - 4 インスリンのはたらき①食べものの中の糖分が ブドウ糖として取り込まれる②血液中のブドウ糖が増えると 膵臓からインスリンが分泌される③分泌されたインスリンは筋肉などへと つながるドアを開いてブドウ糖を送り込むブドウ糖をグリコーゲンとして蓄える肝臓血管膵臓β細胞βブドウ糖インスリン腸管筋肉脂肪ブドウ糖の取り込みを促進,エネルギーとして消費する肝臓・筋肉で蓄えられないブドウ糖を貯蔵増えすぎるとインスリンの効きが悪くなる妊娠糖尿病は,75 gOGTT において次の基準の1 点以上を満たした場合に診断される.① 空腹時血糖値≧ 92 mg/dL② 1 時間値≧ 180 mg/dL③ 2 時間値≧ 153 mg/dL