ブックタイトルメタボリックドミノに挑む 俺流処方 糖尿病・腎・内分泌疾患編
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メタボリックドミノに挑む 俺流処方 糖尿病・腎・内分泌疾患編
98 CKD大きく影響していることが一目瞭然である.蛋白尿が出現すると,将来的な腎不全リスクが20 倍増大する(図12-1B A ).腎機能低下とともに,ESRDリスクは直線的に,最後の段階では指数関数的に増大する(図12-1B B ).一方,微量アルブミン尿と腎機能低下との間には蛋白尿でみられたような直線的な関係はみられない(図12-1B C ). 蛋白尿自身が腎不全の原因となっていると考えると理解しやすい.事実,実験的には蛋白尿が尿細管障害を介して,腎障害進展因子となることが証明されている.アルブミン尿と蛋白尿は単に量的な相違にとどまらず,出現メカニズムと臨床的意義が異なっている. まとめると次のようになる.① アルブミン尿,蛋白尿はCVDの定量的なリスクマーカー(指標)である.②eGFRが45mL/分/1.73m2 未満になるとCVDリスクが急激に増大する.③蛋白尿は腎機能障害の強力なリスク因子である.3.CKDのリスク度は原疾患により異なる ─2つのCKD─ CKD概念の眼目は腎障害の成因を問わずに,検尿所見と血清クレアチニン(Cr)値から推算するeGFRだけで定義するところにあった.CVD,ESRDのリスク要因としてCKD概念が誕生したが,CKDを発症要因側からみるのか,アウトカム(CVD/ESRD)側からみるのか,でみえる風景が異なる.図12 - 2 2 つのCKDCKD をアウトカムの側から俯瞰すると,2 つのグループに大別できる.アルブミン尿を特徴としながら,末期腎不全への移行リスクは高くないものの,その途上で心血管イベントを高率に発症する(A)群と,末期腎不全へ移行する(B)群である.(A)群には,メタボリックシンドローム,肥満,高血圧性腎障害などの生活習慣病に起因するCKD が属し,(B)群には,慢性糸球体腎炎,腎硬化症,多発嚢胞腎などが属する.糖尿病は両者の特徴を有する.心筋梗塞脳卒中+慢性腎臓病(CKD)加齢高血圧肥満メタボリックシンドロ-ム高血糖・糖尿病脂質代謝異常喫煙腎不全糖尿病慢性腎炎アルブミン尿腎硬化症(A)(B)蛋白尿腎機能低下