ブックタイトルメタボリックドミノに挑む 俺流処方 糖尿病・腎・内分泌疾患編

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メタボリックドミノに挑む 俺流処方 糖尿病・腎・内分泌疾患編

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メタボリックドミノに挑む 俺流処方 糖尿病・腎・内分泌疾患編

38 糖尿病・肥満「腸に効く」薬の魅力 いま肥満糖尿病領域において,腸の役割が見直されています.インレクレチン関連薬がわれわれの予想をはるかに上まわる効果を示したことは,糖尿病における腸の意義を臨床的に証明しています. 私は糖尿病の治療において腸に働く薬剤を大切にしています.メトホルミンは肥満糖尿病患者のファーストチョイスですが,私は,本章でもふれられているように,胆汁酸代謝を介したインクレチン分泌刺激作用にも期待して,DPP-4 阻害薬とメトホルミンをなるべく併用しています(その実感はまだまだですが).もちろんDPP-4 阻害薬とα - グルコシダーゼ阻害薬(α -GI)の併用も理にかなっています.さらに,われわれのグループを含め複数のグループから,高コレステロール血症治療薬であるコレスチミド(コレバインR)が,メトホルミンと同様に下部小腸への胆汁酸デリバリーを増加させ,インクレチン分泌を増加させ,耐糖能を改善させることが明らかにされています.コレステロール高値の糖尿病患者には,DPP-4 阻害薬+コレスチミドを積極的に行っています.酵素阻害薬の特性を理解する 臨床的に使用されている酵素阻害薬は,増量効果があまりみられません.ACE 阻害薬の降圧効果に関して多くの方が実感されていると思います.DPP-4 阻害薬も実は同じです.肥満糖尿病患者では,インスリン抵抗性の改善を行いたいので,メトホルミンとDPP-4 阻害薬が併用されるケースが多く,また,すでに述べたように,メトホルミンにはインクレチン分泌刺激も期待できるのですが,メトホルミンはどんどん増量していくことで効果が大きく発揮される薬です.ですから,この2 つの薬剤の合剤は使いにくい. 一方,チアゾリジン薬は,常用量である程度最大限の効果が期待できます.そこで,私は,患者の服薬コンプライアンスを考えて,市販されているDPP-4 阻害薬とチアゾリジン薬の合剤(リオベルR)をよく使います.(伊藤 裕)Editor’s Note