ブックタイトルエキスパートはここを見る心電図読み方の極意

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概要

エキスパートはここを見る心電図読み方の極意

9911.上室期外収縮から起源を推定するベクトルを反映しており,右房起源の上室期外収縮で認められる.? ただし,心臓の counter -clockwise rotation により洞調律時の P 波がすでに陽性である場合には,V1誘導の極性のみから左心房起源の期外収縮を推定することは困難である.? つぎに,下壁誘導(Ⅱ,Ⅲ,aVF 誘導)に注目する.P’波が陽性もしくは陰性であるかということに加えて,P’波の波高が洞調律のP 波高と比較して相対的に高いかどうかを観察する.洞調律のP 波高より高いP’波高を認める場合には,洞結節より高位の上大静脈を起源とする上室期外収縮を疑う.深い陰性のP’波を認める場合には,冠静脈洞入口部や三尖弁輪の低位を起源とする上室期外収縮を疑う.P’波の幅? P’波が明瞭に認識できる場合には,下壁誘導における P’波の幅を洞調律の P 波と比較する.洞調律のP 波と比較してP’波の幅が短縮している場合には,右心房と左心房の興奮が同時相に生じていることを反映しており,上室期外収縮の起源が心房中隔近傍であることを示唆している.先行するP波からの連結期? 先行する P 波から P’波の連結期は,上室期外収縮の起源を推定するうえで参考となる.上室期外収縮が,先行するT 波に重なるタイミング(“P on T”)で認められる場合には,P’波の極性を判別することはしばしば困難となるが,P’波が重なっていないT 波と比較す左心耳Ⅴ1Ⅴ1Ⅴ1陰性二相性(+/ー)二相性(ー/+)(D)P’波が陰性(B)P’波が二相性(陽性/陰性)(C)P’波が二相性(陰性/陽性)Ⅴ1陽性右心耳(A)P’波が陽性図11 - 2 上室期外収縮の起源とⅤ1 誘導のP’波の極性の関係