ブックタイトルエキスパートはここを見る心電図読み方の極意

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エキスパートはここを見る心電図読み方の極意

156Ⅳ.不整脈治療に活かす当院の症例からみる現在のCRT適応1CASE64歳男性,原疾患:特発性拡張型心筋症,NYHA 心機能分類 Ⅳ度.うっ血性心不全で入院した患者で,入院時のLVEF は12% と著明に低下していた.心電図はLBBB パターンでQRS 幅は190 ?200ms と著明な延長を認め,入院後に多形性心室頻拍(torsades de pointes)を頻回に認めた.この症例は古典的なCRT 適応を有していると判断し,心不全加療後にCRT-D 植込みを施行した.? 術前後の心電図を比較すると,術後の心電図で明らかに QRS 幅が短縮していることがわかる(図18 - 4).CRT-D 留置より半年後の心エコー検査では,LVEF が20% 台まで改善し(表18 - 1),3年後の胸部レントゲンでも心拡大の著明な改善が認められている(図18 - 5).BⅠ(A)治療前(QRS 196ms) (B)治療後(QRS 142ms)ⅠⅡⅢaⅤRaⅤLaⅤFⅡⅢaⅤRaⅤLaⅤFⅤ1Ⅴ2Ⅴ3Ⅴ4Ⅴ5Ⅴ6Ⅴ1Ⅴ2Ⅴ3Ⅴ4Ⅴ5Ⅴ6図18 - 4 古典的な重症心不全患者に対するCRTの効果(術前後の心電図変化)表18 -1 古典的な重症心不全患者に対するCRT の効果(心エコー指標の変化)治療前治療後治療半年後左室拡張末期径(LVIDd) 90 mm 81mm 67mm左室収縮末期径(LVIDs) 83 mm 76 mm 58 mm左室駆出率(LVEF) 12% 12% 21%1 回拍出量(SV) 30 mL 39 mL 54 mL僧帽弁逆流(MR) moderate trivial trivialLVIDd:left ventricular internal end-diastolic dimension,LVIDs:left ventricular internal endsystolicdimension,LVEF:left ventricular ejection fraction,SV:stroke volume,MR:mitralregurgitation.