ブックタイトル小児の訪問診療も始めるための31のポイント

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概要

小児の訪問診療も始めるための31のポイント

18.病院小児科医との有意義な連携を目指す13718A 病院小児科医との連携が重要となる理由小児の在宅医療患者は,成人の在宅医療患者と共通する点もあるが,以下の理由により,病院小児科医との連携が必要となってくる.この点は,成人の在宅医療との大きな相違点であろう.・高度な医療的ケアを必要とする例が多い・病院とのつながりが強い・成長に伴い,栄養や呼吸管理の内容が病院主導で変更されることが多い(1)高度な医療的ケアを必要とする例が多いNICU を退院し在宅医療に移行する小児患者は,それぞれに医療依存度が高く,在宅人工呼吸,気管切開,経管栄養を必要とする患者の割合は成人と比べて高い1).このため,在宅医や訪問看護師だけでは対応できず,緊急入院を必要とする事態がしばしば起こりうる.(2)病院とのつながりが強いこのように小児の在宅医療患者は医療依存度が高いため,中核病院以上の規模の病院の外来へ通院していることが多く,訪問診療を受けている例は極めて少ない.居宅の訪問診療を受ける20 歳未満の患者数は1428 人で,全年齢の患者数34 万人の0.1%に満たない2).むしろ,NICU を退院した患者は,もともと入院していた病院との結びつきが強い.転居した場合,転居先の中核病院を紹介されることになるが,遠方にも関わらずもとの病院への通院を希望される方がいるほどである.また,地域の診療所病院小児科医との有意義な連携を目指す看取りを前提とし主治医として関わることの多い成人の在宅医療と異なり,小児の場合は,在宅に移行した後もそれまでの病院の小児科医と関わりをもち続けます.在宅医が小児科医の考え方や意思決定の仕方を理解して,よりよいコミュニケーションをとるためのポイントを解説します.