ブックタイトル小児の訪問診療も始めるための31のポイント

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概要

小児の訪問診療も始めるための31のポイント

6.重症児特有の病態に対処する ②呼吸障害と気道病変536A 喘鳴の原因の見分け方喘鳴は原因ごとに対処方も異なる.したがって,普段から喘鳴があり苦しそうな場合は,原因を見極めるために,その喘鳴が吸気時に強いのか呼気時に強いのか,睡眠時に強いのか覚醒時に強いのかを観察する(表6-1).B 睡眠時に強い吸気性喘鳴:上気道閉塞性呼吸障害(1)病 態上気道の狭窄が原因である.上気道の狭窄を引き起こす原因には,筋緊張が強く頭部がのけぞり下あごが後方へ引き込まれてしまう,睡眠で緊張がなくなると下あごが後ろへ落ちて舌根が沈む,もともと下あごが小さい重症児特有の病態に対処する②呼吸障害と気道病変重症児と呼ばれる子どもたちの中に,気道の軟化や閉塞による呼吸障害でいつもゼロゼロしている子どもをみかけることがあります.かわいい盛りでまわりの大人にたくさん構ってもらったり,同じ年ごろの友だちと笑ったりして過ごすはずなのに,努力性呼吸のために遊んでもらっても笑顔になれない,周囲の環境を読み取る余裕もない,たいへんなカロリーを消費するためになかなか体重が増えない,陥没呼吸から胸郭の変形が進んでしまうなどの二次障害が出現してしまいます.ここでは,重症児の呼吸障害の見分け方とそのアプローチ法を解説します.表6-1 喘鳴の原因の見分け方吸気性喘鳴呼気性喘鳴往 復覚醒時に強い喉頭軟化症気管軟化症痰や分泌物睡眠時に強い上気道閉塞性気管支喘息