ブックタイトル在宅復帰支援

ページ
8/12

このページは 在宅復帰支援 の電子ブックに掲載されている8ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

在宅復帰支援

と,知らないでケアするのでは大きな差があり,実際に自分の目で見ることで細かな指導ができ,とても効果的である.2016 年からは訪問診療に病棟スタッフが同行し,在宅での現状を勉強し,退院支援に役立てている(図Ⅳ-2-1 ).(4) 介護福祉士を多く配属している地域包括ケア病棟の強み当院の地域包括ケア病棟は現在9 人の介護福祉士が勤務している.早出2 人,遅出2 人が日中業務し,夜勤も1 人は介護福祉士である.当院では前述のとおり,看護提供方式であるパートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)を導入している.地域包括ケア病棟は,看護師と介護福祉士のPNS を行い,看護と介護の両方の専門性を発揮し退院支援を行っている.看護師目線だけでは在宅療養での生活面の問題点を見逃す傾向がある.また,介護福祉士は患者・家族との時間が看護師より多く確保できるため,思いをくみ取ることができる.さらに患者の動きをリハスタッフの意見を取り入れ把握することができ,入院中や在宅での療養環境の調整に取り組むことができている.たとえば認知症の患者が家では山が見える場所を好んでいた場合,病室でも山が見えるようベッドの位置を変えたり,山の写真を大きく引き伸ばし部屋に飾ったりしている.自宅でソファーに座ることが多ければ,病室にソファーを入れたりする.在宅での生活環境を入院中につくり,退院へ移行している.また,個々の患者のライフイベントに合わせて,誕生会や米寿・喜寿・白寿などのお祝いをし,記念写真や色紙を渡し患者・家族に喜ばれている.獅子舞も例年行っているが,患者・家図Ⅳ-2-1 多職種による家屋調査162Ⅳ 病院の行う在宅療養支援とは