ブックタイトル在宅復帰支援

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概要

在宅復帰支援

A 「ときどき入院,ほぼ在宅」がキーワード在宅医療は,在宅だけで完結はできない.筆者自身,数十名の在宅主治医を担当する中で,バックアップ入院ベッドの重要性を痛感させられる.患者・家族も,「病状が急変したり,重症化したときにどうしたらよいのか」「介護者が倒れたり,病気になったときどうしたらよいのか」「長年,在宅療養を続けているが,身体機能の再評価や諸検査を効率的に受けることはできないのか」「最期の看取りを在宅でする自信がない」といった悩みや要望をもっておられる方が多く,「そういったときにサポートしてくれる入院医療機関があり,バックアップシステムがあるから安心ですよ」と医療者から伝えてあげれば,安心して在宅医療・介護の導入を受け入れ,継続することができる.もちろん,熟練した在宅医と訪問看護師などがチームを組めば,末梢・皮下輸液,在宅酸素,インスリン注射・血糖コントロール,胃瘻栄養,皮下埋め込み型中心静脈カテーテルポートからの中心静脈栄養,がん末期の緩和ケア,さらには非侵襲的陽圧換気療法(non-invasive positive pressure ventilation:NPPV),人工呼吸器対応など,入院で行われる医療行為のほとんどは在宅でも可能となっている.実際,在宅医療・介護を導入すると,患者・家族も在宅でも安心して療養できることが実感され,不安を口にしていた方々も,それほど入院の希望がしょっちゅう出ることがなくなったり,最期は入院での看取りを希望していた患者・家族も,無理に移動させるよりはこのまま在宅での看取りを選択したいという方が多くなる.それでも,いざというときのバックアップベッドがあるという安心感はなにものにも代え難い.病院機能分化の中で,地域には高度急性期病棟,急性期一般病棟,地域包括ケア病棟,回復期リハ病棟,療養病棟といった入院病床類型がある.それぞれ在宅医療を支援するバックアップベッドの重要性144