ブックタイトル在宅復帰支援

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概要

在宅復帰支援

はじめに第3回日本医師会赤ひげ大賞受賞者である二ノ坂保喜医師は,ADLが低下した患者であっても「入院治療は元来退院を目的としたものであり,退院させることが原則である」と述べている.病院スタッフが在宅療養可能な患者を適切に見出し,在宅医療に円滑につなげてくれることで,それは実現する.しかし,実際には,病院スタッフから見て「自宅退院が困難」と考えられる患者は少なくない.一方,僭越ではあるが,筆者たちのような在宅医療従事者から見ると「退院可能な患者」が,「退院できない」との判断になっていることが少なくない.似た例では,病院の連携担当者が(在宅療養開始が困難と考えて)慎重に自宅退院させた患者を,筆者たちが診てみると,それほど在宅支援が困難ではないことも多い.その意味では,病院で「退院支援に困難を感じる事例」でも,かなりの人が自宅退院の可能性があるかもしれない,という印象を筆者はもっている.退院後訪問指導を病棟看護師が行うA2016年4月から,新たに「退院後訪問指導」という診療報酬が設定された.これは,「病院の看護師等が退院後の患者に訪問指導を行う」ものである.この制度は,筆者も長年にわたり要望していたものであり,本制度が創設されたことは画期的と考える.退院後訪問指導を連携担当看護師が行うことも多いと聞くが,筆者は,「病棟看護師が行う」ことが重要と考えている.第一に,「病院で看護してくれた看護師が自宅に来てくれること」は,患者や家族にとって非常にうれしいことである.退院後訪問を行った看護師は,歓迎され,その訪問がいかに「患者や家族にとって喜び」か,を実感するであろう.このこと1つをとっても退院後訪問指導には意味がある.第二は,退院後訪問を繰り返すことで,病院看護師が退院支援の技術を向上5自宅に帰れる患者をどう見出すか?32