ブックタイトル診療ガイドラインが教えてくれないこともある

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概要

診療ガイドラインが教えてくれないこともある

Ⅱ 各 論94呼吸困難が生じたらLAMAもしくはLABAを使用する.気管支喘息の合併や頻回に増悪をきたす患者に対しては,吸入ステロイドの併用も必要となる.慢性呼吸不全を合併した患者には,長期在宅酸素療法を導入することで,生命予後の改善が期待できる.診 療 ガ イド ラ イ ン の むこう側無症状の一般住民に対するスパイロメトリーでのスクリーニングは実施しないことが推奨されているCOPD患者への禁煙介入は死亡率を下げるチオトロピウムの霧状噴霧器による吸入は死亡率を増やす可能性が指摘されている 受動喫煙:リスク因子として喫煙が最重要視されているのは当然として,受動喫煙はどの程度影響しているのだろうか.中国で行われた非喫煙者を対象としたコホート研究では,週40時間・5年以上の受動喫煙に晒されていた集団と受動喫煙のない集団を比較したところ,COPDの有病率が受動喫煙群で高く,オッズ比は1.48(95%信頼区間:1.18?1.85)であった6).慢性の咳,痰を訴える患者において,家庭や職場での濃厚な受動喫煙の病歴は,COPDを疑ううえで有用と考える. スパイロメトリーを勧める対象:COPDの診断にスパイロメトリーは必須だが,どのような患者にスパイロメトリーを勧めるべきだろうか.米国予防医学専門委員会(USPSTF)は,無症状の一般住民を対象としたスパイロメトリーによるスクリーニングは行うべきではないとしている.無症状の住民に介入して,なんらかのアウトカムが改善するという根拠がないことから,スパイロメトリーは咳や痰といった症状のある人,および喫煙歴のある人に実施することが推奨されている7).筆者は,10年単位に喫煙歴か呼吸器症状のある患者には,スパイロメトリーを実施するよう勧めている.昨今では,スパイロメトリーに「肺年齢」の表示がなされるものもあり,患者にとっては実年齢+αの肺年齢が表示されるとインパクトが強い. 肺機能の評価方法:スパイロメトリーについて,COPDガイドラインには「気管支拡張薬吸入後の測定値を用いて評価を行う」とだけ記載されているが,具体的な薬剤は明示されていない.WHOや米国国立心臓・肺・血液研究所(NHLBI)などが中心となって活動しているGOLD(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)では,SABAを吸入して10?15分後,もしくは短時間作用性抗コリン薬(SAMA)を吸入して30?45分後にスパイロメトリーを実施するよう推奨している8).筆者は,気道可逆性の評価を同時に行う目的で,スパイロメトリーを気管支拡張薬吸入前,吸入後の2回実施してもらうよう検査技師に依頼している. 禁煙の治療効果:COPDの治療として禁煙が推奨されているが,禁煙自体はどの程度の治