ブックタイトル診療ガイドラインが教えてくれないこともある

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概要

診療ガイドラインが教えてくれないこともある

Ⅱ 各 論92ていくよう示されている.また,主な併存症のある患者への対応を表11 -2 3 , 4)にまとめた.加えて,COPDは慢性の経過をたどりながらも,増悪をきっかけに致命的な状態に陥ることがあり,余命期間を推定することは難しいため,安定期の時点で増悪時の救命救急処置や人工呼吸器の適応についても相談しておくことを推奨している. 増悪期の管理:増悪は,「息切れの増加,咳や喀痰の増加,胸部不快感・違和感の出現あるいは増強などを認め,安定期の治療の変更あるいは追加が必要となる状態」と定義されている.原因は呼吸器感染症と大気汚染が大部分であるが,30%の患者で原因が特定できないとしている.増悪の重症度は,症状,病歴,身体所見,パルスオキシメータなどに基づいて総合的に判断し,すべての患者にパルスオキシメータと動脈血ガス分析,胸部単純X線写真,心電図.血液検査(血算,CRP,電解質濃度,肝腎機能など)を,さらに必要に応じて胸部CT,血液培養,心エコー,凝固能検査などを実施するよう推奨している.治療は,A(antibiotics:抗菌薬),B(bronchodilators:気管支拡張薬),C(corticosteroids:ステロイド薬)というABCアプローチが基本となる.増悪時の第一選択薬は短時間作用性β2刺激薬(SABA)で,安定期の病期がⅢ期以上もしくは入院管理が必要な患者の増悪では全身性のステロイド薬投与が勧められている.酸素投与の目標はPaO2 60Torr以上あるいはSpO2 90%以上であり,十分な薬物治療や酸素投与を行っても呼吸状態が改善しない場合は換気補助療法の適応であると記載している.その他 総合診療医が果たす役割:COPDガイドラインは在宅医療や病診連携についても言及している.多職種連携によるケア,地域医療機関での連携を推奨し,患者や家族の負担を減らすために,身体障害者手帳や介護保険などの社会資源を利用するよう示している.また,総合診療医がCOPD診療に果たす役割は大きく,潜在的なCOPD患者が数多く総合診療医を受診しているであろうと論じている.総合診療医には,スクリーニングを行ってスパイロメトリーでの診断につなげること,他疾患の除外を可能な範囲で行うこと,そして治療として禁煙や日常生活指導,薬物療法と呼吸リハビリテーション,在宅酸素療法を実践することが求COPD +喘息COPD +虚血性心疾患COPD +高血圧症COPD +心不全・ 発作性の呼吸困難や可逆性気流制限といった気管支喘息に特徴的な所見を認める場合には積極的に吸入ステロイド薬を使用・ COPD の管理として抗コリン薬を併用・ 選択的β 1 遮断薬の治療は利益が不利益よりも大きい・ COPD 治療はガイドラインに準拠・ 気道閉塞可逆性の明らかなCOPD患者に対するβ遮断薬投与の有効性・安全性は限定的*・ 心不全の治療を変えるべきという報告はない・ ただし,β遮断薬の有用性・安全性は未確立表11- 2 併存症のある患者への対応*: 選択的β1 遮断薬は,1 秒量にも呼吸器症状にも影響しなかったという研究3)や,β遮断薬を投与されていた患者のほうが死亡率が低かったとするコホート研究4)を紹介し,β遮断薬の投与が有益な患者がいることは確実であるとも記載されている. (一部,文献3,4)より)