ブックタイトル診療ガイドラインが教えてくれないこともある

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概要

診療ガイドラインが教えてくれないこともある

Ⅰ 総 論21 診療ガイドラインの歴史的変遷 診療ガイドラインは,科学的根拠に基づいて系統的な手法により作成された推奨を含む文書である.診療現場における意思決定の判断材料の1つとして,医療者および患者を支援することを目的に作成されている.診療ガイドラインが信じるに足るものかどうかを語るには,まず,その歴史的変遷について知っておく必要がある(図1 -1). 1990年代,EBMの提唱とともに医療技術評価が世界的に広まり,わが国では1996?1999年にわたり,旧厚生省の検討会で診療ガイドラインの作成や公開などが決定された1?3).当初は旧厚生省主導で科研費をあてて各学会に委託して作成していたが,じきに各学会に委任されるかたちになった.残念なことに,当時,診療ガイドラインの作成方法については明確に取り決めが示されていなかったために,具体的な作成方法を理解しないままつくられ,混乱を生むことになった.もっとも作成方法自体も,最初から質の高い診療ガイドラインとなるようなものが確立されていたわけではなかった. 初期の診療ガイドラインは,コンセンサスガイドラインと呼ばれるような,専門家が集まって意見を出し合い合意形成するかたちで行われた.これでは,専門家が自身の限られた経験をもとに,好き勝手に推奨をつくることができてしまうため,GOBSAT(Good Old BoysSat Around the Table)と揶揄されていた. これに対して,エビデンスに基づいた診療ガイドラインが必要との声を受けて,2007年に日本医療機能評価機構のEBM医療情報サービスのMinds4)が,「診療ガイドライン作成の手引き(通称,Minds2007)」5)を公表した.これは,エビデンスレベルやエビデンスピラミッド(図1 -2)と呼ばれる考え方で,エビデンスの信頼性は一様でなく,臨床研究デザインによって,信じていい診療ガイドライン,鵜呑みにしてはいけない診療ガイドライン1コンセンサスガイドラインMinds2007Minds2014GRADE図1-1 診療ガイドラインの変遷