ブックタイトルTHE 整形内科

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概要

THE 整形内科

60Ⅰ ? 整形内科に必要な知識と技能はじめに 痛みによる受診で頻度が高いのは,腰痛,肩痛,膝痛,そして外傷である.腰・肩・膝の痛みの診断・治療についてはⅡ- 24(p.233),Ⅱ- 20(p.180),Ⅱ- 21(p.190),Ⅱ- 25(p.242)をご覧いただくこととして,本項では処置系外来における怪我のファーストタッチと運動器エコー検査のさわりについて紹介したい.A 怪我の初療と傾向 外科外来,救急外来で怪我をみる機会は多い.受傷機転によって怪我の傾向がわかると診断に役立つ1).子どもの手を上から引いて“腕が抜けた”といえば肘内障,おばさんの転倒ならColles(コレス(コリーズ))骨折などは有名である.問診で,いつどこで怪我をしたのか,転び方やぶつけ方,意識障害の有無もしっかり聞く. 怪我では,痛いところははっきりしているので,痛くなさそうな離れたところから触診をし,介達痛の有無を確かめる.さらに,痛いところも触ってみて,異物や皮下腫瘤などがないかチェックする.疼痛部位は指の腹でなく指先で,ピンポイントで同定する.関節痛なら,腫脹,発赤,圧痛,熱感の有無,運動時痛だけか,安静時痛もあるのかを調べ,さらに,自動・他動的関節可動域もみる.X線撮影をして「問題ない」といってほしい患者も多く,撮影が終わるのをまつ間,成書で該当部位の正常組織像やよくある怪我について確認しておく. 初診時にX線で,骨折線がみえないことはよくある.診療所でマンパワー不足の場合など,そもそもよい条件で撮像できるかが問題である.骨折線がみえなくても,初診時に「骨折なし」と断言せず,再診を勧める.とくに腫れて皮下出血斑があれば骨折を疑い,固定して様子をみる.患者には,「今は骨折が見当たらないが,数日してわかることがあるので,もう一度来院してください」といっておく. どんな場合でも怪我ではRICEの徹底が肝心である.R:rest(安静),I:icing(冷却),C:compression(圧迫),E:elevation(挙上)を指導する.大人では喫煙やアルコールを控えることも含め,つき添いの方にもわかりやすく説明をしておこう.私もやってみた整形内科ビギナーの扱う運動器エコー7 ─はじめの一歩─