ブックタイトル認知症診療に役立つ77のQ&A

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概要

認知症診療に役立つ77のQ&A

118家 族より家 族より 認知症と診断後,抗認知症薬が開始されることが多い.また身体疾患の治療に,以前から種々の薬剤が処方されていることも少なくない.認知症患者さんだけに服薬を含めた薬剤管理を任せてよいのであろうか.家族や周囲の人々が薬剤管理にかかわるべきであろうか.筆者は以下のように考えている.軽度認知症患者さんは服薬管理を自分自身でできるか? 認知症と診断後,家族から「まだ軽度の段階だから服薬管理くらい患者本人だけでできる」「認知症の進行予防のために患者本人に服薬管理をさせたい」などといわれることがある.果たして軽度認知症の患者さんは自分自身で服薬管理ができるのだろうか? 図52 -1は,初診アルツハイマー型認知症患者さんの生活能力を評価した自験データである.男女ともに,服薬管理が自立しているのは軽微の段階ですら半数しかいない.つまり,軽微あるいは軽度の段階で,すでに半数の患者さんでは自分ひとりで服薬管理を遂行できないのである.服薬管理には家族や周囲の人々がかかわるべき 軽度認知症の段階では,おそらく患者さん自身で服薬管理ができることが少なくないだろう.しかし,患者さんのみに服薬管理を任せるには,ある程度の危険性があることも理解しておかなければならない.飲み忘れは患者さんの状態軽度認知症患者さんの場合でも,薬剤管理には家族や周囲の人々がかかわるべき.独居認知症患者さんでは,薬剤管理を含めた介護支援体制が構築されるまで処方を開始してはならない.AQ 52薬の管理を本人に任せてよいでしょうか?(患者さん:83歳,女性)