ブックタイトルぼくらのアルコール診療

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概要

ぼくらのアルコール診療

99Ⅱ お困りシチュエーション別! クイック・リファレンス A一般外来 50 代,男性.大学卒業後,新聞社に就職.徐々に習慣飲酒となり,飲酒しないと眠れなくなった.役職についてからは社内外での酒席も増え,連日タクシーで深夜に帰宅するようになったが,仕事に支障はなかった.数年前から,健康診断で肝機能障害を指摘され,「飲酒はほどほどに」と注意されていたが,周囲に大酒家が多いこともあり,問題意識は乏しかった.アルコール濃度を薄めれば肝臓の負担が減ると考え,それまでロックで飲んでいた焼酎やウイスキーを水割りにすることで,自分なりに対処していた.数値が改善しているものと期待して受けた健康診断であったが,血液検査でAST 113IU/L,ALT 76IU/L,γ-GTP 250IU/L と, 昨年よりさらに数値が悪化していたことがきっかけで,受診に至った.診察において,「焼酎やウイスキーのストレートをやめて水割りにした.濃度を薄めて飲むようにしていたのに……」と落胆した表情で話した.「それだけ酒量が多いということですよ.今度こそ,本当にほどほどにしないと,取り返しのつかないことになりますよ」と伝えたところ,「わかりました.もっと薄い水割りにします」と決意を新たにし,診察は終了となった.1「ほどほど」ってどれくらい?「ほどほど」「適度」─これらの曖昧な表現による指導は,基準を示さなければ,独自の解釈や自己判断による誤った対応に繋がりやすい.栄養指導の「カロリー」に当たる飲酒量の単位を「ドリンク」という.「純アルコール10 g を含むアルコール飲料」が「1 ドリンク」である.節度ある適度な飲酒とは,酒に強い(酒を飲んでも赤くならないタイプの)健康な男性で1 日2 ドリンクまでとされ,2 ドリンクに相当するのは, ビール500 mL,ワイングラス2 杯,日本酒1 合,焼酎0 .5 合である.酒に弱い(酒を飲んで赤くなる体質の)人,女性,65 歳以上では,半分の1 日1 ドリンクが適度な飲酒の目安となる.飲酒量を「ドリンク」を使って算出し,具体的な目標値を示すことで,より効果的な減酒指導を行うことができる.8A 一般外来 介入・治療