ブックタイトル事例で解決!もう迷わない抗認知症薬向精神薬のつかいかた

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事例で解決!もう迷わない抗認知症薬向精神薬のつかいかた

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事例で解決!もう迷わない抗認知症薬向精神薬のつかいかた

51第Ⅰ章抗認知症薬(リバスチグミン) リバスチグミン使用の実際① 88 歳と高齢なこと,レビー小体型認知症の可能性があることから,リバスチグミンの増量は慎重に行うようにしたい.レビー小体型認知症では,抗認知症薬を含めた精神や神経に作用する薬剤に過敏性を示す事例がみられるため,薬剤によって症状の悪化や浮動性の増悪を招く危険性を常に考えながら増量を行うことが必要となる.② リバスチグミン処方の際,4.5 mg の段階から保湿剤を併用することで,皮膚症状の予防を期待できるかもしれない.ヒルドイドR ローションあるいはソフト軟膏などを選択するとよい.③ ある貼付量で紅斑やかゆみなどの皮膚症状が出現したときには,それ以上の増量を図らず,その貼付量を維持量とする選択肢も考えるようにしたい.リバスチグミン開始後の臨床経過4.5 mg から開始し,1 ヵ月ごとに増量していったが,13.5 mg の段階でかゆみの訴えが著しく,紅斑もみられるようになってきた.18 mg まで増量したが,かゆみのために自分で?がしてしまい,貼付継続に拒否的になっていた.「13.5 mg ならばなんとか我慢できる」と患者さんが述べるので,年齢も考えて13.5 mg で1 年以上経過をみている.図1 は,経時的に施行したMMSE とADAS-J cog. の推移を示したものである.MMSE は,開始時17 点で1 年後も18 点を維持していた.ADAS-J cog.は得点が減少するほど認知機能障害は軽度と判断される検査であるが,開始時16 点から10 点,7 点,13 点といずれも改善効果を示していた.0510152025開始前3ヵ月後半年後1年後172220181610713改 善改 善(点)MMSEADAS-J cog.図1 事例8 の神経心理検査の推移