ブックタイトル事例で解決!もう迷わない抗認知症薬向精神薬のつかいかた

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事例で解決!もう迷わない抗認知症薬向精神薬のつかいかた

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事例で解決!もう迷わない抗認知症薬向精神薬のつかいかた

28これだけは知っておきたい!?アルツハイマー型認知症の経過中に臨床像で悪化がみられない,あるいはHDS-R などの神経心理検査で変化がみられないときには,抗認知症薬の効果が持続していると判断する.?抗認知症薬の効果が目立たない事例であっても服薬継続が家族の安心感に繋がることから,可能な限り抗認知症薬の継続処方を行う.83 歳,女性,アルツハイマー型認知症ドネペジル塩酸塩5 mg 服薬で4 年間認知症の悪化がみられない事例1病 歴もの忘れ外来受診の4 ヵ月前,夫が死亡した頃からもの忘れが目立ってきた.財布を食器棚のなかに置いたり,残飯を不適切な場所に隠すなど,決まった場所にものを置けない.買い物で支払いの際に1 万円札を出すことが多い.昔と現在のことが混在した話をすることが多くなった.最近,「4 人の子どもが庭に何かを植えている,声をかけると『こっちに来るな』と若い母親が言っているのがみえる」と訴える.この数ヵ月自宅で入浴をしない.症状に動揺性はみられず,パーキンソン症状もない.諸検査の結果,アルツハイマー型認知症と診断しドネペジル塩酸塩(アリセプトR)5 mg を開始した.考えるべきこと・選択すべき薬剤初診時に活発な周辺症状が目立たない,おとなしいタイプのアルツハイマー型認知症にはコリンエステラーゼ阻害薬のいずれかを選択する.服薬介助を行う家族に「経口薬か貼付薬か」,「経口薬ならば1 日1 回の服薬か2 回の服薬が可能か」を尋ねる.家族の意向を考えながら,コリンエステラーゼ阻害薬を選択するとよい.ドネペジル塩酸塩開始後の臨床経過図1 は,初診時から4 年間にわたるMMSE ならびにADAS-J cog. 総得点の推移を示したものである.4 年経てもMMSE では2 点,ADAS-J cog. では1 点の悪化を示すのみである.臨