ブックタイトル事例で解決!もう迷わない抗認知症薬向精神薬のつかいかた

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事例で解決!もう迷わない抗認知症薬向精神薬のつかいかた

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事例で解決!もう迷わない抗認知症薬向精神薬のつかいかた

3第Ⅰ章抗認知症薬らに具体的に図示したものが図Ⅰ-2 である.活発な(家族が介護に困る)周辺症状が目立たない患者さん,つまり,自宅で何もしない,テレビばかり眺めている,外出したがらない,口数が少ないなど,自発性の低下,意欲の減退,無為・無関心(アパシー)が目立つ患者さんにはまずコリンエステラーゼ阻害薬の処方を考える.一方,暴言や暴力行為,介護に抵抗する,妄想や幻覚,夜間の不眠などの行動障害・精神症状(周辺症状)が目立つ患者さんにはメマンチン塩酸塩を第一選択薬として考える.この原則に従うと,コリンエステラーゼ阻害薬とメマンチン塩酸塩との使い分けが可能になる.図Ⅰ-3 は,夫婦で紹介されてきたアルツハイマー型認知症である.夫は終日テレビの前に座って無為な生活を送っており,家族が困る周辺症状が目立たないおとなしいタイプのアルツハイマー型認知症である.対照的に,妻は物盗られ妄想や金銭管理でのトラブル,易怒性が目立つ比較的活発な(言い換えると介護家族が困っている)周辺症状を主体とするアルツハイマー型認知症である.夫には行動や感情,言動の活発化を期待してコリンエステラーゼ阻害薬の処方を考える.一方,妻には行動や感情,言動の安定化を目的にメマンチン塩酸塩を第一選択薬とする.妻にコリンエステラーゼ阻害薬から開始すると,易怒性などの増悪がみられる可能性があり,現在の病像をより悪化させてしまうかもしれない.コリンエステラーゼ阻害薬メマンチン塩酸塩家族にとって何が困ることなのか?活発な周辺症状が目立たないおとなしいタイプ活発な周辺症状が目立つタイプ自発性の低下意欲の減退無為・無関心感情障害(易怒性) 行動障害うつ・抑うつ気分妄想・幻覚図Ⅰ-2 抗認知症薬使用の手順