ブックタイトル認知症でお困りですか?かかりつけ医の疑問にお答えします
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認知症でお困りですか?かかりつけ医の疑問にお答えします
2著者からのメッセージ中核症状と周辺症状を的確に把握することが大切である.家族や介護者からの気づきの情報入手が欠かせない.メディカルスタッフからの情報も気づきに重要である.診察室では,「振り向き動作」,「取り繕い現象」などに注意する.認知機能のスクリーニング検査はできるだけ簡易な時間のかからない方法で行う.鳥取大学医学部保健学科生体制御学講座・環境保健学分野 教授 浦上克哉かかりつけ医・非専門医が通常の外来でアルツハイマー型認知症を診断する際の診療のコツを教えてください 認知症とは,物忘れにより日常生活や社会生活に支障をきたす状態をいう.認知症の症状には,中核症状と周辺症状がある.中核症状には記憶,見当識,判断力などの障害があり,周辺症状には徘徊,暴言・暴力,幻覚,妄想などがある.中核症状の存在がわかりにくい症例はあるが,中核症状を欠く認知症は存在しない.ADの診断の際に重要なのは,中核症状の把握である. 認知症は気づくことが最も難しい病気のうちの1つである.物忘れが本格的に起こり出すと,“物忘れをすることを忘れてしまう”ため,かかりつけ医に定期的に受診しながらも,自分から「物忘れ」について訴えない.① 家族や介護者から情報を得る:認知症患者さんとの会話の例を紹介する.患者さん本人は,「物忘れはない」,「病院への受診も楽しみにしている」,「毎日元気に畑仕事をしている」と話をする.この会話のなかで認知症の存在を疑うことはかなり難しい.しかし,家族から話を聞くと,「物忘れはひどく,さっき聞いたことを3分も経たないうちに忘れてしまい,何回も同じことを聞く」,「病院への来院も,どこも悪くないから行かないといって家族を困らせる」,「毎日畑仕事に行っていない」など,本人の話と全く違うことがわかり,物忘れの存在に容易に気づくことができる.ただし,かかりつけ医を受診する際に家族が同伴することは通常きわめて少ない.そこで,半年に1回,あるいは年に1回,介護保険の書類を作成する際などに家族に連絡をとり,一緒に受診することを勧める.また,ケアマネジャーや地域包アルツハイマー型認知症(AD)を診断する際に重要なことAD の早期発見のコツ