ブックタイトル事例で解決!もう迷わない認知症診断

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事例で解決!もう迷わない認知症診断

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事例で解決!もう迷わない認知症診断

認知症専門医療機関に紹介・診断された事例事例 24病歴・問診とHDS-Rの成績に乖離がみられるアルツハイマー型認知症70歳,女性診療のポイント??病歴,問診・診察からは認知症を考えさせるが,HDS-Rが正常範囲内の成績を収める事例がしばしばみられる.??認知症診療の原則は,病歴と患者さんの問診・診察である.それらを重視した判断を行うようにしたい.??両者が乖離する事例で,どうしても診断を下すことに躊躇する場合には,認知症専門医療機関に紹介する選択肢を考えてもよい.あるいはご自身の外来で半年前後の臨床経過をみてから診断を下す選択も間違いではない.病 歴同居している娘さんから病歴を聴取した.独居生活をしていた3年前からしまい忘れやおき忘れがみられていたが,年齢に伴うものかと考えていた.2年前に同居してわかったが,金銭の管理をしたがらない,パソコンの操作を面倒がる,説明しても理解できないことが多い.夕飯を作ってくれるものの,味が大雑把で味付けの確認をしていないようである.受診の半年前から物忘れの状態は明らかに進んでおり,現在は家事をしたがらない.季節に合った衣服の選択は可能であるが,同じ衣服を着ていることが多くなった感じがする.孫に対してひどいことを言うことがある.既往歴:脂質異常症を指摘されているが未治療.病歴からみた診断ポイント3年前から物忘れに気づかれ,症状が緩徐に進行・悪化している事例である.現在,料理や整容に支障がみられ,意欲の減退や理解力の低下もみられる.病歴からは典型的なアルツハイマー型認知症の経過を示していることは明らかである.幻覚やパーキンソン症状などはみられないことから,レビー小体型認知症の可能性は低い.脳血管障害の既往はなく,身体的にもしっかりしていることから,血管性認知症を考える必要もない.122